“杳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よう73.9%
はる18.5%
はるか4.2%
えう2.5%
ハルカ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
豊橋も後になり、鷲津わしづより舞坂まいさかにかゝる頃よりは道ようやく海岸に近づきて浜名はまなの湖窓外に青く、右には遠州洋えんしゅうなだようとして天に連なる。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
はるかな昼の一点に傾けてゐるとしたならば、人はみな、荒涼たる風景を浪うち覆ふ、嘗て如何なる文化も手を触れなかつた寂寥の中に
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
ただ斯様かように現実界を遠くに見て、はるかな心にすこしのわだかまりのないときだけ、句も自然とき、詩も興に乗じて種々な形のもとに浮んでくる。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
我も亦この一書によつて彼の名を記憶するに止まれども、彼の才あつて然もえうとして天下に知られざるは心惜しき思せらる。今既に死せりや。猶生きてありや。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
自余コノホカ大和屋、若松、桝三河ト曰フモノミナ創立ノ旧家ナリト雖亦ハルカニ之ニ劣レリ。
上野 (新字新仮名) / 永井荷風(著)