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杳
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はるか
ふりがな文庫
“
杳
(
はるか
)” の例文
ただ
斯様
(
かよう
)
に現実界を遠くに見て、
杳
(
はるか
)
な心にすこしの
蟠
(
わだかま
)
りのないときだけ、句も自然と
湧
(
わ
)
き、詩も興に乗じて種々な形のもとに浮んでくる。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(無音にて機を織る。——
杳
(
はるか
)
の屋外にて、堅き城門の開く音す。女子は機の手を
止
(
と
)
めて耳を澄ます。その音尚かすかに響き来る)
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この学術とこの位置とを与へて恩と為ざりしは誰なるべき。外にこれを求むる能はず、重ねてこれを得べからざる父と母とは、相携へて
杳
(
はるか
)
に
迢
(
はるか
)
に隔つる世の人となりぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其処に佇んだ彼女の心には云い知れぬ
杳
(
はるか
)
な思いが宿った。少しく離れて前に立っている二人を見ると幼い人達が誓の時になすように、小指と小指とを緊と握り合せている。
湖水と彼等
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
興義これより病
愈
(
い
)
えて、
杳
(
はるか
)
の後
八三
天年
(
よはひ
)
をもて
死
(
まか
)
りける。其の
終焉
(
をはり
)
に臨みて、
画
(
ゑが
)
く所の鯉魚
数枚
(
すまい
)
をとりて
湖
(
うみ
)
に
散
(
ちら
)
せば、画ける魚
八四
紙繭
(
しけん
)
をはなれて水に
遊戯
(
いうげ
)
す。ここをもて興義が絵世に伝はらず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
杳
漢検1級
部首:⽊
8画
“杳”を含む語句
杳然
杳々
杳冥
杳渺
杳窕
一結杳然
杳樹
杳眇
杳茫
杳遠