“杳茫”の読み方と例文
読み方割合
えうばう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舟のゆくては杳茫えうばうたる蒼海にして、そのいたる所はシチリアの島なり、あらず、亞弗利加アフリカの岸なり。ゆん手の方は巖石屹立したる伊太利の西岸にして、所々に大なる洞穴あり。
冷なる風は舟に向ひて吹き來れり。舟は巖窟の中に進み入りて、我等の頭は巖に觸んとす。われは身をララの上に俯したり。たちまちにして舟は杳茫えうばうとしてかぎりなき大海の上に出でぬ。