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微妙
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びめう
ふりがな文庫
“
微妙
(
びめう
)” の例文
時候
(
じこう
)
と、
時
(
とき
)
と、
光線
(
くわうせん
)
の、
微妙
(
びめう
)
な
配合
(
はいがふ
)
によつて、しかも、
品行
(
ひんかう
)
の
方正
(
はうせい
)
なるものにのみあらはるゝ
幻影
(
まぼろし
)
だと、
宿
(
やど
)
の
風呂番
(
ふろばん
)
の(
信
(
しん
)
さん)が
言
(
い
)
つた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
兩性
(
りやうせい
)
が
然
(
しか
)
も
他人
(
たにん
)
の
手
(
て
)
を
藉
(
か
)
りて
一
(
ひと
)
つに
成
(
な
)
る
婚姻
(
こんいん
)
の
事實
(
じじつ
)
を
聯想
(
れんさう
)
することから
彼等
(
かれら
)
の
心
(
こゝろ
)
が
微妙
(
びめう
)
に
刺戟
(
しげき
)
される。
彼等
(
かれら
)
の
凡
(
すべ
)
ては
悉
(
ことごと
)
く
異性
(
いせい
)
を
知
(
し
)
り
又
(
また
)
知
(
し
)
らんとして
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
タツ! タツ! タツ! あゝあの
音
(
おと
)
を
形容
(
けいよう
)
するのはむづかしい、
何
(
なん
)
といふ
文字
(
もんじ
)
の
貧
(
まづ
)
しい
事
(
こと
)
であらう、あれあんなに
優
(
やさ
)
しい
微妙
(
びめう
)
な
音
(
おと
)
をたてゝゐるのに……。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
二人で相談してこんな芝居を打つといふ
微妙
(
びめう
)
な細工は、半次や助七の智惠では出來さうもなく、それほど深い
巧
(
たくら
)
みがないとすれば、お互に疑はれた業腹さで
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ばけものゝ一
面
(
めん
)
は
極
(
きは
)
めて
雄大
(
ゆうだい
)
で
全宇宙
(
ぜんうちう
)
を
抱括
(
はうくわつ
)
する、
而
(
しか
)
も
他
(
た
)
の一
面
(
めん
)
は
極
(
きは
)
めて
微妙
(
びめう
)
で、
殆
(
ほとん
)
ど
微
(
び
)
に
入
(
い
)
り
細
(
さい
)
に
渉
(
わた
)
る。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
▼ もっと見る
太史公
(
たいしこう
)
曰
(
いは
)
く、
老子
(
らうし
)
の
貴
(
たつと
)
ぶ
所
(
ところ
)
の
道
(
みち
)
は、
(一二二)
虚無
(
きよむ
)
にして
因應
(
いんおう
)
し、
無爲
(
むゐ
)
に
變化
(
へんくわ
)
す、
故
(
ゆゑ
)
に
著書
(
ちよしよ
)
、
(一二三)
辭稱
(
じしよう
)
微妙
(
びめう
)
にして
識
(
し
)
り
難
(
がた
)
し。
莊子
(
さうじ
)
は
(一二四)
道徳
(
だうとく
)
を
散
(
さん
)
じて
放論
(
はうろん
)
す、
要
(
えう
)
は
亦
(
また
)
之
(
これ
)
を
自然
(
しぜん
)
に
歸
(
き
)
せり。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
而も日中、晴れわたつた
壮厳
(
さうごん
)
微妙
(
びめう
)
の海に
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
此
(
こ
)
の
峰
(
みね
)
、
此
(
こ
)
の
谷
(
たに
)
、
恁
(
かゝ
)
る
思
(
おもひ
)
。
紅
(
くれなゐ
)
の
梢
(
こずゑ
)
を
行
(
ゆ
)
く
汽車
(
きしや
)
さへ、
轟
(
とゞろ
)
きさへ、
音
(
おと
)
なき
煙
(
けむり
)
の、
雪
(
ゆき
)
なす
瀧
(
たき
)
をさかのぼつて、
輕
(
かる
)
い
群青
(
ぐんじやう
)
の
雲
(
くも
)
に
響
(
ひゞ
)
く、
幽
(
かすか
)
なる、
微妙
(
びめう
)
なる
音樂
(
おんがく
)
であつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
即
(
すなは
)
ち
最
(
もつと
)
も
高遠
(
かうゑん
)
なるは
神話
(
しんわ
)
となり、
最
(
もつと
)
も
卑近
(
ひきん
)
なるはお
伽噺
(
とぎばなし
)
となり、一
般
(
ぱん
)
の
學術
(
がくじゆつ
)
特
(
とく
)
に
歴史上
(
れきしじやう
)
に
於
(
おい
)
ても、
又
(
また
)
一
般
(
ぱん
)
生活上
(
せいくわつじやう
)
に
於
(
おい
)
ても、
實
(
じつ
)
に
微妙
(
びめう
)
なる
關係
(
くわんけい
)
を
有
(
いう
)
して
居
(
ゐ
)
るのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
更
(
さら
)
にくすんだ
赭
(
あか
)
い
欅
(
けやき
)
の
梢
(
こずゑ
)
にも
微妙
(
びめう
)
な
色彩
(
しきさい
)
を
發揮
(
はつき
)
せしめて、
殊
(
こと
)
に
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
に
交
(
まじ
)
つた
槭
(
もみぢ
)
の
大樹
(
たいじゆ
)
は
此
(
これ
)
も
冴
(
さ
)
えない
梢
(
こずゑ
)
に
日
(
ひ
)
は
全力
(
ぜんりよく
)
を
傾注
(
けいちゆう
)
して
驚
(
おどろ
)
くべき
莊嚴
(
さうごん
)
で
且
(
か
)
つ
鮮麗
(
せんれい
)
な
光
(
ひかり
)
を
放射
(
はうしや
)
せしめた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
代々の後藤家は金座の御金改役として、天下の通貨を
掌
(
つかさど
)
り、わけても祖先後藤祐乘の打つた極印に對しては、一種
微妙
(
びめう
)
な鑑定法が、一子相傳的に傳へられて居たといふことです。
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
微妙
(
びめう
)
端厳
(
たんごん
)
なるその馬は
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
おつぎはどうといふこともなく
寧
(
むし
)
ろ
殆
(
ほとん
)
ど
無意識
(
むいしき
)
に
行
(
ゆ
)
き
交
(
か
)
ふ
青年
(
せいねん
)
を
見
(
み
)
るのであつたが、
手拭
(
てぬぐひ
)
の
下
(
した
)
に
光
(
ひか
)
る
暖
(
あたゝ
)
かい
二
(
ふた
)
つの
瞳
(
ひとみ
)
には
情
(
じやう
)
を
含
(
ふく
)
んで
居
(
ゐ
)
ることが
青年等
(
せいねんら
)
の
目
(
め
)
にも
微妙
(
びめう
)
に
感應
(
かんおう
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あゝ、それぢや、
木彫
(
きぼり
)
の
美人
(
びじん
)
が、
父
(
ちゝ
)
のナイフに
突刺
(
つきさ
)
されて、
暖炉
(
ストーブ
)
の
中
(
なか
)
に
焼
(
や
)
かれた
時
(
とき
)
まで、
些
(
ちつ
)
とも
其
(
そ
)
の
秘密
(
ひみつ
)
を
明
(
あ
)
かさなかつた、
微妙
(
びめう
)
な
音
(
ね
)
のしたものは、
同一
(
おなじ
)
、
此
(
こ
)
の
采
(
さい
)
であつたかも
知
(
し
)
れない。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その邊の
微妙
(
びめう
)
な關係は、八五郎には解りさうもありません。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
微妙
(
びめう
)
端厳
(
たんごん
)
の
緑玉
(
エメロウド
)
。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
此
(
こ
)
の
姫
(
き
)
また
毎
(
つね
)
に
琥珀
(
こはく
)
を
以
(
もつ
)
て
佩
(
おび
)
として、
襲衣
(
しふい
)
の
裡
(
うち
)
に
人知
(
ひとし
)
れず
包
(
つゝ
)
みて
緊
(
し
)
む。
立居
(
たちゐ
)
其
(
そ
)
の
度
(
たび
)
になよやかなる
玉
(
たま
)
の
骨
(
ほね
)
、
一
(
ひと
)
つ/\
琴
(
こと
)
の
絲
(
いと
)
の
如
(
ごと
)
く
微妙
(
びめう
)
の
響
(
ひゞき
)
を
作
(
な
)
して、
聞
(
き
)
くものの
血
(
ち
)
を
刺
(
さ
)
し、
肉
(
にく
)
を
碎
(
くだ
)
かしめき。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
姉
(
ねえ
)
さん、』と
捉
(
つか
)
まつた
時
(
とき
)
なぞ、
肩
(
かた
)
が
揺
(
ゆ
)
れると、ころりん、ころりんと
其
(
それ
)
は
実
(
じつ
)
に……
何
(
なん
)
とも
微妙
(
びめう
)
な
音
(
ね
)
が
為
(
し
)
て
幽
(
かすか
)
に
鳴
(
な
)
る、……
父母
(
ふたおや
)
をはじめ、
見
(
み
)
るほどのものは、
何
(
なん
)
だらう
何
(
なん
)
だらう、と
言
(
い
)
ひ/\したが
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それから
障子
(
しやうじ
)
の
内
(
うち
)
と
外
(
そと
)
で、
話
(
はなし
)
をしたり、
笑
(
わら
)
つたり、それから
谷川
(
たにがは
)
で
二人
(
ふたり
)
して、
其時
(
そのとき
)
の
婦人
(
をんな
)
が
裸体
(
はだか
)
になつて、
私
(
わし
)
が
背中
(
せなか
)
へ
呼吸
(
いき
)
が
通
(
かよ
)
つて、
微妙
(
びめう
)
な
薫
(
かほり
)
の
花
(
はな
)
びらに
暖
(
あたゝか
)
に
包
(
つゝ
)
まれたら、
其
(
その
)
まゝ
命
(
いのち
)
が
失
(
う
)
せても
可
(
い
)
い!
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
微
常用漢字
中学
部首:⼻
13画
妙
常用漢字
中学
部首:⼥
7画
“微妙”で始まる語句
微妙道君
微妙者
微妙音
微妙端厳
微妙大曼拏羅経