“襲衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かさね37.5%
したぎ25.0%
したがさね12.5%
しふい12.5%
オスヒ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もすそいとう砂ならば路に黄金こがねを敷きもせん、空色の洋服の褄を取った姿さえ、身にかなえばからめかで、羽衣着たりと持てはやすを、白襟で襲衣かさねの折から、うすものあやの帯の時
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
島子は襲衣したぎ一枚である。一枚だけをひっかけている。真紅の色というものは、誘惑的ではあるけれど、あまりに刺戟があくどいため、教養ある人には好かれない。
怪しの館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
雪なすうすもの、水色の地にくれないほのおを染めたる襲衣したがさね黒漆こくしつ銀泥ぎんでいうろこの帯、下締したじめなし、もすそをすらりと、黒髪長く、丈に余る。しろがねの靴をはき、帯腰に玉のごとく光輝く鉄杖てつじょうをはさみ持てり。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
またつね琥珀こはくもつおびとして、襲衣しふいうち人知ひとしれずつゝみてむ。立居たちゐたびになよやかなるたまほねひとつ/\こといとごと微妙びめうひゞきして、くもののし、にくくだかしめき。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
脛に密着させるものは、筒袴とも言ふべきである。此が新しい意のはくで、襲衣オスヒ上袴だ。此は袴を括り上げる。脛ばきのはゞきの原形は、此である。