“鉄杖”の読み方と例文
旧字:鐵杖
読み方割合
てつじょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
役人の一人は鉄杖てつじょうを持ち直して、脚下あしもとに転がった人俵ひとだわらの一つの胴中どうなかをびしゃりとやった。その人俵からは老人の白髪しらが頭が出ていた。
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
とじれて、鉄杖てつじょうを抜けば、白銀しろがねの色、月に輝き、一同は、はッと退く。姫、するすると寄り、さっと石段を駈上かけのぼり、柱にすがってきっと鐘を——
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、けよりざま、雷喝らいかつせい、闇からうなりをよんだ一じょう鉄杖てつじょうが、ブーンと釣瓶もろとも、影武者のひとりをただ一げきにはね飛ばした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)