“人俵”の読み方と例文
読み方割合
ひとだわら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
役人の一人は鉄杖てつじょうを持ち直して、脚下あしもとに転がった人俵ひとだわらの一つの胴中どうなかをびしゃりとやった。その人俵からは老人の白髪しらが頭が出ていた。
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
所司代の役人達は手にした鉄棒で、蓑虫みのむしのように頭ばかり出したその人俵ひとだわら胴中どうなかをびしびしとたたいた。改宗に志のある者は不自由な体を無理に動かして転がった。
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
見物人の一人は、ぐ眼の前の人俵ひとだわらのうめきの中に、かすれた男の声を聞いて、どの顔の主からそれが出ているかを確めにかかった。それは下積になった商人らしい男の口からであった。
切支丹転び (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)