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鉄杖
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てつじょう
ふりがな文庫
“
鉄杖
(
てつじょう
)” の例文
旧字:
鐵杖
役人の一人は
鉄杖
(
てつじょう
)
を持ち直して、
脚下
(
あしもと
)
に転がった
人俵
(
ひとだわら
)
の一つの
胴中
(
どうなか
)
をびしゃりとやった。その人俵からは老人の
白髪
(
しらが
)
頭が出ていた。
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
とじれて、
鉄杖
(
てつじょう
)
を抜けば、
白銀
(
しろがね
)
の色、月に輝き、一同は、はッと
退
(
の
)
く。姫、するすると寄り、
颯
(
さっ
)
と石段を
駈上
(
かけのぼ
)
り、柱に
縋
(
すが
)
って
屹
(
きっ
)
と鐘を——
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
駈
(
か
)
けよりざま、
雷喝
(
らいかつ
)
一
声
(
せい
)
、闇からうなりをよんだ一
条
(
じょう
)
の
鉄杖
(
てつじょう
)
が、ブーンと釣瓶もろとも、影武者のひとりをただ一
撃
(
げき
)
にはね飛ばした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もっとも
鉄杖
(
てつじょう
)
の一なぎで、他愛もなくカタをつけましたがな。案外弱いのでびっくりしましたよ。なんの親切を恩に着ましょう
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
叫びざま追いかけて来て、
荊玉造
(
いばらだまつく
)
りの
鉄杖
(
てつじょう
)
ふりあげながら、笑止にも挑みかかったのは玄長法師です。
旗本退屈男:06 第六話 身延に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
と、
忍剣
(
にんけん
)
は真から腹立たしくなって、ふたたび
鉄杖
(
てつじょう
)
をにぎりしめたとき、はるか
裾野
(
すその
)
のあなたに、ただならぬ光を見つけた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
街道の出入り口の広い地域には、巨材と青竹とで厳重な
柵
(
さく
)
と、いかめしい門とが作られてあった。そうして弓や槍や長柄や、
薙刀
(
なぎなた
)
や
鉄杖
(
てつじょう
)
で固められていた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
雪なす
羅
(
うすもの
)
、水色の地に
紅
(
くれない
)
の
焔
(
ほのお
)
を染めたる
襲衣
(
したがさね
)
、
黒漆
(
こくしつ
)
に
銀泥
(
ぎんでい
)
、
鱗
(
うろこ
)
の帯、
下締
(
したじめ
)
なし、
裳
(
もすそ
)
をすらりと、黒髪長く、丈に余る。
銀
(
しろがね
)
の靴をはき、帯腰に玉のごとく光輝く
鉄杖
(
てつじょう
)
をはさみ持てり。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「やッ」と、まッこうから、おがみうちに、うなりおちてきた忍剣の
鉄杖
(
てつじょう
)
に、なにかはたまろう。あいては、かッと血へどをはいてたおれた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たたずんだおりから、うしろにあたり、かすかではあるが聞き覚えのある、
鉄杖
(
てつじょう
)
の音がジャラーンとした。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一際
(
ひときわ
)
烈
(
はげ
)
しきひかりものの
中
(
うち
)
に、一たび、小屋の屋根に
立顕
(
たちあらわ
)
れ、たちまち
真暗
(
まっくら
)
に消ゆ。再び
凄
(
すさまじ
)
じき
電
(
いなびかり
)
に、鐘楼に来り、すっくと立ち、
鉄杖
(
てつじょう
)
を
丁
(
ちょう
)
と振って、下より空さまに、鐘に手を掛く。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ジャラーンと鳴る
鉄杖
(
てつじょう
)
の音、ヒューッと風を切る木刀の音、「うん!」といううなり声。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
見れば、
夜叉
(
やしゃ
)
のような人影が、
矛
(
ほこ
)
や
槍
(
やり
)
や
鉄杖
(
てつじょう
)
をふるって、逃げ散る旅人や村の者らを見あたり次第にそこここで
殺戮
(
さつりく
)
していた。——眼をおおうような地獄がえがかれているではないか。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まだ、
鉄杖
(
てつじょう
)
を斬るとか、
鎧
(
よろい
)
の
鉄銅
(
かねどう
)
を斬るとか、だいぶ項目が残っていたが
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鉄
常用漢字
小3
部首:⾦
13画
杖
漢検準1級
部首:⽊
7画
“鉄”で始まる語句
鉄
鉄瓶
鉄漿
鉄槌
鉄砲
鉄棒
鉄扉
鉄格子
鉄鎚
鉄柵