微妙みみょう)” の例文
その時虚空こくうはるかに微妙みみょうなる音楽がきこえ始めた。聖衆の群れはそれに合わせて仏様をめる歌をうたわれた。すると天から花が降って来て、あたりはきよかおりに満ちた。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
そして其続伝の中には保胤も採録されているから、法縁微妙みみょう、玉環の相連なるが如しである。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
幽かな幽かな微妙みみょうな複雑音と、製紙特有の清らかに爽かに鮮かな芳香と気品とを発して、目に見えぬ電動力の表象体そのものとしての、絶間なき活動を続けているのである。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
また気勢けはいがして、仏壇の扉細目ほそめ仄見ほのみたま端厳たんごん微妙みみょう御顔おんかんばせ
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
甚深微妙みみょうの音もなき響の響が其処にはあった。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)