行倒ゆきだお)” の例文
道を通る人は行倒ゆきだおれではないかと思って覗いて行くから仙公はきまりを悪がって、いくら起しても起きようとはしません。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それでも新聞に、行倒ゆきだおれがあったのを共同墓地に埋めたということがあるではありませんか。そうして見れば檀家のない仏のく所があるはずです。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
でも私の生涯をどう振り返って見ても、あの巡礼の顔ばかりは、思い出せないのでございます。あれだけの行倒ゆきだおれを、玄関へ投り込むのは、容易の力ではございません。
彼等は銘々の親達に、不思議な行倒ゆきだおれ人のことを報告しに行ったのです。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
行倒ゆきだおれになったでしょう。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)