“堤防”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どて50.0%
ていぼう25.0%
ていばう10.7%
つつみ7.1%
だし3.6%
エンバンクレメント3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はしのあつたのは、まちすこはなれたところで、堤防どてまつならむではつてて、はしたもと一本いつぽん時雨榎しぐれえのきとかいふのであつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
もつと道路どうろあるひ堤防ていぼうさがりにつて地割ぢわれをおこすこともあるが、それはたんひらいたまゝであつて、開閉かいへい繰返くりかへすものではない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
西にし神通川じんつうがは堤防ていばうもつかぎりとし、ひがし町盡まちはづれ樹林じゆりんさかひし、みなみうみいたりてき、きた立山りふざんふもとをはる。此間このあひだ見通みとほしの原野げんやにして、山水さんすゐ佳景かけいいふべからず。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其処そこで、この山伝いの路は、がけの上を高い堤防つつみく形、時々、島や白帆しらほの見晴しへ出ますばかり、あとは生繁おいしげって真暗まっくらで、今時は、さまでにもありませぬが、草が繁りますと
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
竜王村へ入って村を横切ると釜無川かまなしがわの河原へ出ます。信玄の時代に築かれたという長さ千間の一の堤防だし。その上には大きな並木が鬱蒼うっそうと茂っている。右手には高く竜王の赤岩がそびえている。
泉原はデンビ町の下宿へ帰る積りであったが、どうした訳か横丁を曲らずに、幅の広いなだらかな、堤防エンバンクレメントを歩いていた。両側の街樹は枝葉を伸して鬱蒼うっそうと繁っている。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)