“つつみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツツミ
語句割合
55.6%
25.6%
2.3%
2.3%
2.3%
包物1.5%
堤防1.5%
池塘0.8%
0.8%
土堤0.8%
堰堤0.8%
墨堤0.8%
河堤0.8%
津々美0.8%
紙包0.8%
行嚢0.8%
0.8%
郊坡0.8%
0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は四谷見附よつやみつけを出てから迂曲うきょくした外濠のつつみの、丁度その曲角まがりかどになっている本村町ほんむらちょうの坂上に立って、次第に地勢の低くなり行くにつれ
ところが、案外にも金のつつみがちゃんとあったのだ。それを見て斎藤が悪心を起したのは、実に浅はかな考えではあるが無理もないことだ。
心理試験 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
浪華なにわから中国へかけての新田には中世まで白帆の船の走っていたところが多い。大小の島々はつつみに繋がれて陸地となり、その蔭を今は汽車が往来している。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「さては、孔明の悪戯わるさか」と、ふたたび馬を打って、つつみの上へ馳け上がってみた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隄空鎖葛西家 つつみにしてむなしくとざ葛西かさいの家
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いかにも昔は抜け荷買いなどを、おかみの眼を盗んでやったらしい、鋭い、光の強い、兇暴らしい、不気味な巨眼で食い付くように、勘右衛門は京助が胸へ抱いている小さな包物つつみを見詰めたが
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「やッ、」というて目をみはる義作と一所に吃驚びっくりしたのは、茶店の女で、向うの鍵屋の当のかたき、およねといって美しいのが、この折しも店先からはたはたと堤防つつみへ駆出したことである。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雑餉隈ざつしよのくま池塘つつみに映るゆか高き屋裏やうらに赤き金魚鉢見ゆ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
菱生ふる広き池塘つつみの中道は雨通らせて後照あとでり暑し
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
金を取られた上にられてたまるものか、さつきてめえの方のつつみにちちうが有つたらゆるさねえと云つたろう、有つたか、有りやあしめえ
花道つけ際にて「どつこいしよ」とつつみを左の肩にかけ、右に笠をさげ、足早に向うへ入る。
それがしどもの持口は、たとえば洪水に当る土堤つつみのようなもの。敵十万の怒濤は、どこを切るや分りませぬ。さある場合は、自分の持分においては、城を枕に討死あるのみです。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
瓜畠の甜瓜の数は一つのこらず憶えてゐる。うちの堰堤つつみの上をとほる荷馬車からは五カペイカづつの通行税を取る。木登りをして梨を揺り落す。
ホイホイホイ、ホイホイホイ、墨堤つつみを走る駕籠であった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
残りの靴はその時停車場の帰りに、河堤つつみの蛇籠の上で拾ひました。
女優 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
富士川もよりには、和田わだ樋之上ひのかみの七、八百大島峠おおしまとうげにも三、四百余の旗指物はたさしもの、そのほか、津々美つつみ白糸しらいと門野もんののあたりにある兵をあわせておよそ三千あまり
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
電車の中でも紙包つつみひらいて見た、オリーブ表紙のサイモンヅの「伊太利イタリー紀行」の三冊は、十幾年来憧れていて、それも此の春漸く手に入ったものであった。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「けれど条件がございます。——物々しき官用の太平車うしぐるまや旗などは廃し、お贈り物は、すべて人の担げるほどな行嚢つつみにあらため、護衛兵の力者もみなただの強力ごうりきに仕立てなければいけません」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雑塵ざつぢん遠世とほよつつみうち透かし吾れ命あれや光り息づく
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
『大清一統志』に、江南金竜池、深さ測られず、唐初その中から一馬出で、朝は郊坡つつみを奔りのぼり、夜は池中へ入る、尉遅敬徳これを捕えたと(巻八十)。三五〇巻に
長鼓は、内地のつつみに似てそれよりも大きく長く、右手に棒を持ち左手は指で打つのであるが、楽器の柄の大きさとは反対に複雑な音を出す。胡弓の音がよかった。
淡紫裳 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)