包物つつみ)” の例文
そう勘右衛門は呻くように云って、やにわに京助へむしゃぶり付くと、京助の持っている包物つつみを、奪い取ろうと手をかけた。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いかにも昔は抜け荷買いなどを、おかみの眼を盗んでやったらしい、鋭い、光の強い、兇暴らしい、不気味な巨眼で食い付くように、勘右衛門は京助が胸へ抱いている小さな包物つつみを見詰めたが
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その京助の眼の前のふすまが、向こう側の方からあけられて、さっき隣りの部屋へ入って行ったお菊が、手に小さな包物つつみを持って、忍ぶようにこっちの部屋へ入って来たが、四辺あたりに気でも配るように
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小脇に抱えていた丸い包物つつみを島太夫の前へ突き出したが
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「島太夫、十字架クルスの前へ行け、この包物つつみを開けて見ろ!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)