“どて”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
37.3%
土堤28.4%
土手27.4%
堤防4.8%
0.7%
塘堤0.3%
堤坊0.3%
土坡0.3%
防波堤0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小石まじりの土が、どての上から少しばかり、草間をすべってくずれて来た。人々が振り仰ぐと、ちらと、蝙蝠こうもりのような人影がかくれた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三人は勇気を出して裸になりました。そして土堤どての下のよしの中へ、おそるおそる盥をおろしてやりました。盥がばちやんといひました。
(新字旧仮名) / 新美南吉(著)
久しいあとで、その頃薬研堀やげんぼりにいた友だちと二人で、木場きばから八幡様はちまんさままいって、汐入町しおいりちょう土手どてへ出て、永代えいたいへ引っ返したことがある。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたし所有あらゆるしらべました、堤防どてました、それからかきも』として、はとあいちやんにはかまはず、『けどへびは!だれでもきらひだ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
呉郡の無錫むしゃくという地には大きいみずうみがあって、それをめぐる長いどてがある。
と、肩幅広く、塘堤どてぶちへあらはれた。立女形たておやまが出たから、心得たのであらう、船頭め、かんてらのを、其の胸のあたりへ突出つきだした。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
町の方から、がや/\と、おんなまじりの四五人の声が、浮いた跫音あしおととともに塘堤どてをつたつて、風のとまつた影燈籠かげどうろうのやうに近づいて
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
堤坊どてうへのあのやなぎ切株きりかぶこしをかけてさるのひかへづなにぎつたなり、俯向うつむいて、ちひさくなつて、かた呼吸いきをしてたのがその猿廻さるまはしのぢいさんであつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あれは人間にんげんぢやあない、きのこなんで、御覧ごらんなさい。片手かたてふところつて、ぬうとつて、かさかぶつてる姿すがたといふものは、堤坊どてうへに一本占治茸しめぢへたのにちがひません。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
荘子の腰を下している黍畑きびばたけの縁の土坡どての前は魏の都の大梁たいりょうから、韓の都の新鄭を通り周の洛邑らくゆうに通ずる街道筋に当っていた。
荘子 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あたしうちは老人たちの丹精の小松が成長して、しっかり根をかためていたせいか防波堤どては崩れなかった。