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ていばう
西は
神通川の
堤防を
以て
劃とし、
東は
町盡の
樹林境を
爲し、
南は
海に
到りて
盡き、
北は
立山の
麓に
終る。
此間十
里見通しの
原野にして、
山水の
佳景いふべからず。
工事の
場所は
霞ヶ
浦に
近い
低地で、
洪水が一
旦岸の
草を
沒すと
湖水は
擴大して
川と
一つに
只白々と
氾濫するのを、
人工で
築かれた
堤防が
僅に
湖水と
川とを
區別するあたりである。
泥だらけな
笹の
葉がぴた/\と
洗はれて、
底が
見えなくなり、
水草の
隱れるに
從うて、
船が
浮上ると、
堤防の
遠方にすく/\
立つて
白い
煙を
吐く
此處彼處の
富家の
煙突が
低くなつて