“水草”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みずくさ36.1%
みづくさ13.9%
みくさ13.9%
すいそう8.3%
ミクサ8.3%
みずぐさ5.6%
すゐさう2.8%
すいさう2.8%
みぐさ2.8%
みづぐさ2.8%
ミクサノ2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なつは、水草みずくさはいいものだ。あれを一鉢ひとはちってもわるくないな。」と、わらいながら、おきゃくはなしとはまったく関係かんけいなしにかんがえていたのでした。
ガラス窓の河骨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
干潮かんてうときるもあはれで、宛然さながら洪水でみづのあとのごとく、何時いつてた世帶道具しよたいだうぐやら、缺擂鉢かけすりばちくろしづむで、おどろのやうな水草みづくさなみ隨意まに/\なびいてる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
家はよりも荒れまさりけり。なほ奥の方に進みゆく。前栽せんざい広く造りなしたり。池は水あせて水草みくさも皆枯れ、一九三やぶ一九四かたぶきたる中に、大きなる松の吹き倒れたるぞ物すざまし。
すべて官吏教員の如き水草すいそうを追って生活する階級には物価の高低によってその土地の人気に善悪の判定を与える復讐的の傾向がある。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
地下ヂゲビトの歌よみが、おれの三十になつたばかりの頃、「昔見しフルき堤は、年深み……年深み、池の渚に、水草ミクサ生ひにけり」
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
もくり……と毒水どくすい波紋はもんがよれたかと思うと、せになった水死人すいしにん水草みずぐさの根をゆらゆらとはなれる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
沼のぬくみのうちにほころびる水草すゐさうの肌のやうに
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
植物質ちよくぶつしつのものにして今日迄に石器時代遺跡せききじだいいせきより發見されたるはひし、胡桃の、及び一種の水草すいさうの類にして、是等はただ有りのままの形にて存在そんざいしたるのみ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
さもこそは寄るべの水に水草みぐさゐめ今日のかざしよ名さへ忘るる
源氏物語:42 まぼろし (新字新仮名) / 紫式部(著)
四方の壁には大きな水草みづぐさの中からふき出てゐる、綿のやうな蜘蛛くもの網が、一ぱいたれてゐます。
湖水の鐘 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
秋づけば、「水草ミクサノ——尾花の類——花乃阿要奴蟹ハナノアエヌカニ」思へど、知らじ。タヾに逢はざれば(同巻十)
副詞表情の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)