水草すいそう)” の例文
すべて官吏教員の如き水草すいそうを追って生活する階級には物価の高低によってその土地の人気に善悪の判定を与える復讐的の傾向がある。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
蚕食と云う語が君子に不似合ならやめてもよろしい。ただしほかに言葉がないのである。彼等は水草すいそうを追うて居を変ずる沙漠さばくの住民のごとく、きりの木を去ってひのきの方に進んで来た。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それはぬらぬらと気味悪く、妖魔の手でも有るかのように、水草すいそうにも血が通い、脈が打っているかと怪しまれる程。それに掛っては如何どうにも成らなかった。いつしか左右の手にも藻は搦んだ。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)