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堤防
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どて
ふりがな文庫
“
堤防
(
どて
)” の例文
橋
(
はし
)
のあつたのは、
市
(
まち
)
を
少
(
すこ
)
し
離
(
はな
)
れた
処
(
ところ
)
で、
堤防
(
どて
)
に
松
(
まつ
)
の
木
(
き
)
が
並
(
なら
)
むで
植
(
う
)
はつて
居
(
ゐ
)
て、
橋
(
はし
)
の
袂
(
たもと
)
に
榎
(
え
)
の
樹
(
き
)
が
一本
(
いつぽん
)
、
時雨榎
(
しぐれえのき
)
とかいふのであつた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
私
(
わたし
)
は
所有
(
あらゆる
)
木
(
き
)
の
根
(
ね
)
を
驗
(
しら
)
べました、
堤防
(
どて
)
も
試
(
み
)
ました、それから
垣
(
かき
)
も』と
云
(
い
)
ひ
足
(
た
)
して、
鳩
(
はと
)
は
愛
(
あい
)
ちやんには
關
(
かま
)
はず、『けど
蛇
(
へび
)
は!
誰
(
だれ
)
でも
嫌
(
きら
)
ひだ!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
麓路
(
ふもとじ
)
は
堤防
(
どて
)
とならびて、
小家
(
こいえ
)
四五軒、
蒼白
(
あおじろ
)
きこの夜の色に、氷のなかに
凍
(
い
)
てたるが、
透
(
すか
)
せば見ゆるにさも似たり。月は峰の松の
後
(
うしろ
)
になりぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
橋のあったのは、
市
(
まち
)
を少し離れた処で、
堤防
(
どて
)
に松の木が並んで
植
(
うわ
)
っていて、橋の
袂
(
たもと
)
に
榎
(
えのき
)
が一本、
時雨榎
(
しぐれえのき
)
とかいうのであった。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
注
(
さ
)
すあと、注すあと、
割醤油
(
わりした
)
はもう
空
(
から
)
で、
葱
(
ねぎ
)
がじりじり焦げつくのに、
白滝
(
しらたき
)
は水気を去らず、
生豆府
(
なまどうふ
)
が
堤防
(
どて
)
を築き、
渠
(
きょ
)
なって湯至るの観がある。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
賤機山
(
しずはたやま
)
、
浅間
(
せんげん
)
を
吹降
(
ふきおろ
)
す風の強い、寒い日で。寂しい屋敷町を抜けたり、
大川
(
おおかわ
)
の
堤防
(
どて
)
を伝ったりして阿部川の橋の
袂
(
たもと
)
へ出て、
俥
(
くるま
)
は一軒の餅屋へ入った。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あれは人間じゃあない、
蕈
(
きのこ
)
なんで、御覧なさい。片手
懐
(
ふところ
)
って、ぬうと立って、笠を
被
(
かぶ
)
ってる姿というものは、
堤防
(
どて
)
の上に一
本
(
ぽん
)
占治茸
(
しめじ
)
が生えたのに違いません。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ちよろ/\とだけの
流
(
ながれ
)
ながら、
堤防
(
どて
)
も
控
(
ひか
)
へず
地續
(
ぢつゞ
)
きに、
諏訪湖
(
すはこ
)
を
一
(
ひと
)
つ
控
(
ひか
)
へたれば、
爪下
(
つました
)
へ
大湖
(
たいこ
)
の
水
(
みづ
)
、
鎬
(
しのぎ
)
をせめて、
矢
(
や
)
をはいで、じり/\と
迫
(
せま
)
るが
如
(
ごと
)
く
思
(
おも
)
はるゝ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さつきは
雨脚
(
あめあし
)
が
繁
(
しげ
)
くつて、
宛然
(
まるで
)
、
薄墨
(
うすゞみ
)
で
刷
(
は
)
いたやう、
堤防
(
どて
)
だの、
石垣
(
いしがき
)
だの、
蛇籠
(
じやかご
)
だの、
中洲
(
なかず
)
に
草
(
くさ
)
の
生
(
は
)
へた
処
(
ところ
)
だのが、
点々
(
ぽつちり/\
)
、
彼方此方
(
あちらこちら
)
に
黒
(
くろ
)
ずんで
居
(
ゐ
)
て、それで
湿
(
しめ
)
つぽくツて
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
青い山から靄の麓へ
架
(
か
)
け渡したようにも見え、低い
堤防
(
どて
)
の、
茅屋
(
かやや
)
から茅屋の軒へ、
階子
(
はしご
)
を
横
(
よこた
)
えたようにも見え、とある大家の、
物好
(
ものずき
)
に、長く渡した廻廊かとも
視
(
なが
)
められる。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
爾時
(
そのとき
)
何事とも知れず
仄
(
ほの
)
かにあかりがさし、池を隔てた、
堤防
(
どて
)
の上の、松と松との間に、すっと立ったのが
婦人
(
おんな
)
の形、ト思うと細長い手を出し、
此方
(
こなた
)
の岸を
気
(
け
)
だるげに
指招
(
さしまね
)
く。
木精(三尺角拾遺)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
爾時
(
そのとき
)
何事
(
なにごと
)
とも
知
(
し
)
れず
仄
(
ほの
)
かにあかりがさし、
池
(
いけ
)
を
隔
(
へだ
)
てた、
堤防
(
どて
)
の
上
(
うへ
)
の、
松
(
まつ
)
と
松
(
まつ
)
との
間
(
あひだ
)
に、すつと
立
(
た
)
つたのが
婦人
(
をんな
)
の
形
(
かたち
)
、ト
思
(
おも
)
ふと
細長
(
ほそなが
)
い
手
(
て
)
を
出
(
だ
)
し、
此方
(
こなた
)
の
岸
(
きし
)
を
氣
(
け
)
だるげに
指招
(
さしまね
)
く。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さあ思い立っては
矢
(
や
)
も
楯
(
たて
)
も
堪
(
たま
)
らない、渡り懸けた橋を取って返して、
堤防
(
どて
)
伝いに川上へ。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遠くの方に
堤防
(
どて
)
の下の石垣の中ほどに、置物のようになって、
畏
(
かしこま
)
って、猿が居る。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遠
(
とほ
)
くの
方
(
はう
)
に
堤防
(
どて
)
の
下
(
した
)
の
石垣
(
いしがき
)
の
中
(
なか
)
ほどに、
置物
(
おきもの
)
のやうになつて、
畏
(
かしこま
)
つて、
猿
(
さる
)
が
居
(
ゐ
)
る。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
堤防
(
どて
)
を離れた、電信のはりがねの上の、あの辺……崖の中途の
椎
(
しい
)
の枝に、飛上った黒髪が——根をくるくると巻いて、
倒
(
さかさ
)
に
真黒
(
まっくろ
)
な
小蓑
(
こみの
)
を掛けたようになって、それでも、優しい人ですから
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すなわち石滝のある処で、旅客は岸
伝
(
づたい
)
に
行
(
ゆ
)
くのであるが、ここを流るるのは神通の支流で、幅は十間に足りないけれども、わずかの雨にもたちまち
暴溢
(
あふれ
)
て、しばしば
堤防
(
どて
)
を崩す名代の荒河。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
飛
(
と
)
ぶやうに
列車
(
れつしや
)
の
過
(
す
)
ぐる、
小栗栖
(
をぐるす
)
を
窓
(
まど
)
から
覗
(
のぞ
)
いて、あゝ、あすこらの
藪
(
やぶ
)
から
槍
(
やり
)
が
出
(
で
)
て、
馬上
(
ばじやう
)
に
堪
(
たま
)
らず
武智光秀
(
たけちみつひで
)
、どうと
落人
(
おちうど
)
から
忠兵衞
(
ちうべゑ
)
で、
足
(
あし
)
捗取
(
はかど
)
らぬ
小笹原
(
こざさはら
)
と、
線路
(
せんろ
)
の
堤防
(
どて
)
の
枯草
(
かれくさ
)
を
見
(
み
)
た
料簡
(
れうけん
)
。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
馬士
(
まご
)
にも、
荷担夫
(
にかつぎ
)
にも、
畑打
(
はたう
)
つ人にも、三
人
(
にん
)
二
人
(
にん
)
ぐらいずつ、村一つ越しては
川沿
(
かわぞい
)
の
堤防
(
どて
)
へ出るごとに逢ったですが、
皆
(
みんな
)
唯
(
ただ
)
立停
(
たちどま
)
って、じろじろ見送ったばかり、言葉を懸ける者はなかったです。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
巌角
(
いわかど
)
に
刻
(
きざ
)
を入れて、これを
足懸
(
あしがか
)
りにして、こちらの
堤防
(
どて
)
へ
上
(
あが
)
るんですな。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
尾上
(
をのへ
)
に
遙
(
はるか
)
に、
崖
(
がけ
)
に
靡
(
なび
)
いて、
堤防
(
どて
)
に
殘
(
のこ
)
り、
稻束
(
いなづか
)
を
縫
(
ぬ
)
つて、
莖
(
くき
)
も
葉
(
は
)
も
亂
(
みだ
)
れ
亂
(
みだ
)
れて
其
(
それ
)
は
蕎麥
(
そば
)
よりも
赤
(
あか
)
いのに、
穗
(
ほ
)
は
夢
(
ゆめ
)
のやうに
白
(
しろ
)
い
幻
(
まぼろし
)
にして
然
(
しか
)
も、
日
(
ひ
)
の
名殘
(
なごり
)
か、
月影
(
つきかげ
)
か、
晃々
(
きら/\
)
と
艶
(
つや
)
を
放
(
はな
)
つて、
山
(
やま
)
の
袖
(
そで
)
に、
懷
(
ふところ
)
に
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“堤防”の解説
堤防(ていぼう)とは、人家のある地域に河川や海洋の水が浸入しないように、河岸や海岸、運河に沿って土砂を盛り上げた治水構造物のことである。一部は、土手(どて)とも呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
堤
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
防
常用漢字
小5
部首:⾩
7画
“堤防”で始まる語句
堤防伝
堤防工事