“椎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しい77.7%
しひ13.7%
つち5.0%
しゐ1.4%
つい1.4%
シヒ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
森と言っても崖ぎしの家に過ぎない、ただ非常に古いえのきしいとが屋根を覆うていて、おりおり路上に鷺の白い糞を見るだけであった。
後の日の童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
かれがまだ故郷にゐた時、姉や友達につれられて、山へしひを拾ひに行つたことが度々あるが、その椎の實の味を思ひ出す樣な味がする。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
倒るゝ如くに路の邊のこしかけに倚りて、灼くが如く熱し、つちにて打たるゝ如く響く頭を榻背たふはいに持たせ、死したる如きさまにて幾時をか過しけん。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
間にヒヨロヒヨロのしゐの木が一本あつて、足掛りにはなつて居るが、餘つ程身輕な者でなきやあの藝當は出來ない
巨人のついを下すや四たび、四たび目に巨人の足は、血を含む泥をて、木枯の天狗てんぐの杉を倒すが如く、あざみの花のゆらぐ中に、落雷もじよとばかりどうと横たわる。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
参考に出した挿画は、彼の二度目の舞台、千本桜シヒの場の「権太悴善太」の姿である。(安部豊氏作)其手にしたのは、賽をいれて伏せるあの所謂壺皿にあたる笟である。
市村羽左衛門論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)