“どば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
怒罵46.2%
駑馬20.5%
呶罵12.8%
賭場7.7%
土坡5.1%
土場5.1%
度場2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
己は自分の隣に座を占めて、頻りに怒罵どばを浴びせて居た一人の酔漢が、黒ん坊の姿を見ると、首をちゞめて小さくなってしまったのに心付いた。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「やい戯※じょうだんじゃねえぞ。余程よっぽど、この馬は与太馬(駑馬どば)だいなあ。こんな使いにくい畜生もありゃあしねえ」
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
本当にそれは突進という感じであった、「押すな」とか「痛い」とか「だめだ、もう入れやせん」とかいう呶罵どばの声をひと足ごとに浴びせられる、ひじで小突かれたりられたりする。
花咲かぬリラ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ヤアの賭場どばまでって来たのだ、今はひゞあかぎれ白足袋しろたびで隠し、なまぞらをつかっているものゝ、悪い事はお前より上だよ、それに又姦夫々々まおとこ/\というが、あの女は飯島平左衞門様の妾で
そのとばりを挟んで、少し先の土坡どばの向う側には、長岡佐渡の床几場しょうぎばがあった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
して居たりけるこゝまた慈恩寺村にて大博奕おほばくち土場どばが出來鴻の巣なる鎌倉屋金兵衞と云ふ名稱なうて博奕打ばくちうちが來りて大いに卻含はづみ金兵衞は五百兩ばかりかちし折柄自分の村方に急用きふよう出來せしによりいそ歸村きそんせよと飛脚の來りける故仲間なかまかくつげ振舞ふるまひなどを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
山田は苦笑するだけの度場どばをも失ってしまった。そして左手の甲で額をこすりながら頭を垂れた。秀子はその姿をじっと見ていたが、急に軽い調子で云い出した。
掠奪せられたる男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)