一六三八年アムステルダム板リンショテンの『航海記』一一二頁に、ゴア市の郊外マテヴァクワスなる土堤へ羊や牛の角を多く棄つる。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
醜い家鴨の子 (新字新仮名) / ハンス・クリスチャン・アンデルセン(著)
別に疑ふ心持もなく、向島へ行くと、丁度花は眞つ盛り、晝前だといふのに、土堤は、こぼれさうな人出です。
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
ノンシャラン道中記:02 合乗り乳母車 ――仏蘭西縦断の巻―― (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
両岸の人々は、土堤の左右へ、我勝ちに走って、川面を、川岸を、注意していた。二町も、三町も、川の上、川の下へ、人々は、槍をもち、袴を押えて、走っていた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア (旧字旧仮名) / シャーロット・ブロンテ(著)
水面に絶壁から這いさがる藤蔓が垂れて流水はそこに渦を巻いていた。枯草の生い茂った河原洲、土堤の彼方に国境の遠山が水晶のように光って見える。平一郎は河原の草の中に寝転がった。
樅ノ木は残った:02 第二部 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
少年 あの子といつしよに、凧をあげたり、土堤のつくしをとつたりしようと思つて来たんだけどつまんないなあ。
ラムプの夜:――学芸会のための一幕劇 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
右と同じ日の午後四時ごろ、ジャン・ヴァルジャンは練兵場の最も寂しい土堤の陰に一人ですわっていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌 (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
祇園橋を渡って、磯浜の方へ——右手は低い土堤であった。その土堤続きの柵の中に、大砲と、弾薬とがあった。高木と、和田とは、その土堤に沿うて、歩いていた。和田が
文化村を襲つた子ども (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
道ばたのあの土堤や松はもうない。つまり、あったとさえ想像出来ぬように無いのです。ですから私はやっぱり市内に家をさがしましょう。十二月中旬に。ああ私には〔約十五字抹消〕
獄中への手紙:03 一九三六年(昭和十一年) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「さア、そいつを持つて柳原の土堤まで來い。地獄の旅へ、何處が先に踏出すか」
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)