“空濠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
からぼり84.6%
からほり15.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、助任川すけとうがわからくる水をめてある空濠からぼりの底へ、何千貫の大石がるいるいとして無数に転落しているのであった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ずっと昔、そこになにがし氏の城砦じょうさいがあったといわれ、現在でも頂上に五段歩ほどの平地と、空濠からぼりの跡や、石畳に使ったらしい石などが残っていた。
月の松山 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
空濠からほりにかけてある石橋を渡って行くと向うに一つの塔がある。これは丸形まるがた石造せきぞうで石油タンクの状をなしてあたかも巨人の門柱のごとく左右に屹立きつりつしている。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これは太鼓塚……これは夜啼石よなきいしとて里見在城の折に夜な/\泣いて吉凶きっきょを告げたという夜啼石だ、これは要害の空濠からほりで、裏手の処は桜ヶ陣と申して、里見在城の折には搦手からめてったという