“空洞”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
うつろ62.9%
くうどう21.9%
ほらあな2.9%
うろ1.9%
がらんどう1.9%
カラッポ1.9%
あな1.0%
うつほ1.0%
うつぼ1.0%
からどう1.0%
(他:3)2.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“空洞”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語9.6%
文学 > 英米文学 > 小説 物語7.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.8%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
『かしこまりました』と椋鳥は、二人の姉妹に白い布で目隠しをして、おほきな椋の木の空洞うつろの前へつれてゆきました。
仲のわるい姉妹 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
爺さんは空洞うつろのやうな眼をして、じつと考へ込んでゐたが、ふといゝ事を思ひついたので急に顔ぢゆうが明るくなつた。
先方でも、空洞くうどうの様なまなざしで、あらぬほうを見つめていて、私の方など見向きもしなかった。
毒草 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
差し当たり日常の家庭にできた空洞くうどうは、どこにも捻くれたところのない葉子が一枚加わっただけでも
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
鼻が根元から綺麗に×がれて、水に洗われて大きな空洞ほらあなが開いていた。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
私の生命いのちたるのやうに冷たい空洞ほらあなを流れてゆく
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
代々木の山の中に、最早くさりかけて、両眼はからすにつゝかれ、空洞うろになって居たそうだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しづかなる空の中処なかど空洞うろありてきたる待つとふけだしその空洞うろ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
……そんな事を考えまわしながら眼を閉じて、自分の頭の中の空洞がらんどうをジッと凝視していると、私の霊魂たましいは、いつの間にか小さく小さく縮こまって来て、無限の空虚の中を、当てもなくさまよいまわる微生物アトムのように思われて来る。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
理滿はかうして性慾の煩ひを絶つてから、一心に法華を誦んだお蔭で、佛陀が涅槃ねはんの同じ日に息を引き取つたさうだが、そんなにまでして往生の素願を遂げようとも、折角内から燃えて來る焔を自分で塞いでしまつたのでは、その生活は何處かに空洞がらんどうのやうな空所があつたに相違ない。
久米の仙人 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
すると僕の考へが、急に僕の額から煙のやうに逃げ出してゆく、僕は空洞カラッポの額のなかに、憔悴した僕の頬を、そればかり目瞼一杯に映してしまふ。
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
真昼時まひるどきの、静かな蔭に泌みた部屋に、汚ない服装みなりをした此の婦人が白痴のやうに空洞カラッポな顔をして、グッタリ窓に凭れてゐる様を、私は稀に見ることがあつた。
ステッキの空洞あなの中へ、宝石類を入れながら、
探偵戯曲 仮面の男 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
つむりを編笠が抱えた、手も胸も、面影も、しろしろと、あの、舞台のお稲そのままに見えたが、ただ既に空洞うつほへ入って、底から足をくものがあろう、美しいひとは、半身を上に曲げて、腰のあたりは隠れたのである。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朽ちかけた山門、空洞うつぼのある欅の大樹、苔むした永代常夜燈、その頂きの傘に附してあるシャチも捥ぎとられたり欠けたりしていた。
茶粥の記 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
カランと堂の中でひびいたのは、木桟もくさん繩梯子なわばしごでも空洞からどうろしたような木の音です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれなにかにだまされたあとのやうに空洞からりとした周圍しうゐをぐるりと見廻みまはさないわけにはいかなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
念佛寮ねんぶつれう雨戸あまど空洞からりはなたれて、殊更ことさらさむさに圍爐裏ゐろりには麁朶そだほのほてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
『西遊記』一に、肥後五日町の古いえのき空洞ほらに、たけ三尺余めぐり二、三尺の白蛇住む。
それで厚さ二インチか三インチの熔岩の殻だけが残って、内部は空洞チューブになる。
黒い月の世界 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)