“うつぼ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.6%
空穂21.1%
羽壺10.5%
空洞5.3%
5.3%
5.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うつぼに入れて、母屋の床の間に立てかけて置きましたが、彌太郎が玩具にして困るので近頃は柱にかけて置くこともあります」
春琴の日課は午後二時頃にうつぼの検校の家へ出かけて三十分ないし一時間稽古を授かり帰宅後日の暮れまで習って来たものを練習する。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
思い思いのことを主張する弁論を女院は興味深く思召おぼしめして、まず日本最初の小説である竹取のおきな空穂うつぼ俊蔭としかげの巻を左右にして論評をお聞きになった。
源氏物語:17 絵合 (新字新仮名) / 紫式部(著)
『弓馬秘伝聞書』に祝言しゅうげんの供に猿皮の空穂うつぼを忌む。
平家方の半数近くはまだ山上に残っていた。手をむなしく覗いているのは一部の老将やその幕下に過ぎず、侍たちは弓を立て並べて、またたく間に、背の羽壺うつぼのものは射尽してしまった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が屋敷町の小路を、針はいらんか、京針はいらんか——とあきないして歩いていると、向うから、羽壺うつぼ革袋かわぶくろを脇に掛けて、二張ふたはり三張みはりの古弓を肩にになった男が、日吉よりはよくとおる声で、
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朽ちかけた山門、空洞うつぼのある欅の大樹、苔むした永代常夜燈、その頂きの傘に附してあるシャチも捥ぎとられたり欠けたりしていた。
茶粥の記 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
いよいよ道誉が配流はいるされて行く日を見れば、その行装など、日ごろの物見遊山とも変るところはなく、従者三百騎は、例の伊達だてすがたに猿皮のうつぼをかけたり
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小鮫の類を海底の猛獣に例えるなら、そのガラスみちに現れる魚類としては、えいなどは、水に棲む猛鳥にも比すべく、穴子あなごうつぼの類は毒蛇と見ることが出来ましょう。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)