羽壺うつぼ)” の例文
手をむなしく覗いているのは一部の老将やその幕下に過ぎず、侍たちは弓を立て並べて、またたく間に、背の羽壺うつぼのものは射尽してしまった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が屋敷町の小路を、針はいらんか、京針はいらんか——とあきないして歩いていると、向うから、羽壺うつぼ革袋かわぶくろを脇に掛けて、二張ふたはり三張みはりの古弓を肩にになった男が、日吉よりはよくとおる声で
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)