仮装観桜会かそうかんおうかい
靄!靄!靄! 靄の日が続いた。胡粉色の靄で宇宙が塗り潰された。そして、その冷たい靄ははるかの遠方から押し寄せてくる暖かいものを、そこで食い止めていた。食い止めて吸収していた。 靄の中で桜の蕾が目に見えて大きくなっていった。人間の感情もまた、 …