“鼓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つづみ52.8%
32.8%
つゞみ9.2%
1.5%
たた1.0%
なら1.0%
0.5%
つつみ0.5%
つゞみう0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ああ、酔うたなあ。右門……つづみを取って来ぬか。おぬし、猿楽さるがくを舞え。……何、舞えん。然らば、鼓を打て、わしが舞うてみせる」
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世の伝うるところの賽児の事既にはなはだ奇、修飾をらずして、一部稗史はいしたり。女仙外史の作者のりてもって筆墨をするもまたむべなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いや馬鹿ばやしいやだ。それよりかつゞみつて見たくつてね。何故なぜだかつゞみおとを聞いてゐると、全く二十世紀の気がしなくなるからい。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
加うるに、ここ両三年は豊作がつづき、官の工役には皆すすんで働くし、老幼腹をって楽しむというような微笑ましい風景が田園の随処に見られた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、由来宿業しゅくごうとして情とあだと手のうらかえす雪女郎は、東雲しののめの頃の極寒に、その気色たちまち変って、こぶしを上げて、戸をあおり、ひさしたたき、褄を飛ばして棟をた。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其子そのこの身に宿りしより常に殺気さつきべる夢のみ多く、或時は深山しんざんに迷ひ込みて数千すせんおほかみに囲まれ、一生懸命の勇をならして、その首領しゆりやうなる老狼らうらう引倒ひきたふし、上顎うはあご下顎したあごに手をかけて
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
東西僧堂にてすこぶる大きなを鳴らす音。それを合図に教団の人々左右より出で来り、二列に内庭に立つ。再び金鈴の音ありて後居室の扉開く。正面に釈尊、定印を結び思惟の膝を組み居る。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
長鼓は、内地のつつみに似てそれよりも大きく長く、右手に棒を持ち左手は指で打つのであるが、楽器の柄の大きさとは反対に複雑な音を出す。胡弓の音がよかった。
淡紫裳 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
しかれども第十九世紀の大勢は後へを圧せり。疲れたりといへども中止すべからざるなり。填然てんぜんとして之につゞみうち兵刃既に交はるに及んでは勢勝敗を決せざるべからず。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)