“腹鼓”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
はらつづみ57.1%
はらづつみ28.6%
はらつゞみ14.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それも辺鄙へんぴな田舎なら、狐が化けようが狸が腹鼓はらつづみを打とうがいっさいお構いなしだが、東海道の入口でそんな噂が立つのはおだやかでねえ。
半七捕物帳:52 妖狐伝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
古狸の腹鼓はらつづみ、ポコポン、ポコポン、コリャ、ポンポコポン、笛に雨を呼び、酒買小僧、鉄漿着女かねつけおんなの、けたけたわらい、里の男は
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
世にたぬき腹鼓はらつづみと伝うる怪談があるも、深更になると遠方の物音が手近く聞こゆるから、山寺の木魚の音などを誤って狸の腹鼓とすることが多い。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
人をばかすとか、腹鼓はらつづみを打つとかいう特有の芸能を見る人は見る人として、犬族としては珍しく水に潜り、木にのぼる芸当を持っているということを学者は珍重する。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これをその地のものはたぬき腹鼓はらつづみと称し、狸の遊戯のごとくに思い、別に怪しみもせず、また恐れもせぬ。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
御隠居ごいんきょがいろんな唄を歌いますと、それに合わして大きな狸が、腹鼓はらづつみのちょうしを合わせました。
狸のお祭り (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
すると、今まで腹鼓はらづつみをうっていた狸は、にわかに死んだ真似まねをして、椋の木から落ちてきました。
狸のお祭り (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「矢張り狸が腹鼓はらづつみでも打つと言つたことかネ」
近世いい始めたことと思いますが狸は最も物真似に長ずと信じられ、ひとり古風な腹鼓はらづつみのみにあらず、汽車が開通すれば汽車の音、小学校のできた当座は学校の騒ぎ、酒屋が建てば杜氏とじの歌の声などを、真夜中に再現させて我々の耳を驚かしています。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
鵙屋の御寮人はいぶかしみながらもその時は大して気にも止めず寝てしまったがその後二三度も夜中起きでるごとに耳についたことがありそう云えば私も聞きましたどこで弾いているのでござりましょう、たぬき腹鼓はらづつみとも違うようでござりますなどと云う者も出て来て店員たちの知らぬ間に奥で問題になっていた。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
んぞとふと小言こごとやアがる、あにきもねえもんだ、あにきたぬき)の腹鼓はらつゞみが聞いてあきれるとぬかしやアがるから
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
狸の腹鼓はらつゞみのやうなおとである。