“舌鼓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
したつづみ48.7%
したつゞみ20.5%
したうち17.9%
したづつみ10.3%
したづゝみ2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舌鼓したつづみうつ)たったったっ、甘露甘露。きゃッきゃッきゃッ。はて、もう御前おんまえに近い。も一度馬柄杓でもあるまいし、猿にも及ぶまい。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
舌鼓したつゞみを打ちながら、私も仙吉も旨そうに片端から残らず喰べてしまったが、白酒と豆炒とは変に塩からい味がした。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
と、地面じべたのたくつた太い木根につまづいて、其機会はずみにまだ新しい下駄の鼻緒が、フツリとれた。チヨツと舌鼓したうちして蹲踞しやがんだが、幻想まぼろしあともなし。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ガラツ八は舌鼓したづつみを一つ、大急ぎで、路地を出ると、天水桶の蔭へ蝙蝠かうもりのやうにピタリと身を隱しました。
うすると私達も、いつかは茸のやうな這麼こんなほのかな風味に舌鼓したづゝみを打つ興味に感じなくなつてしまふかも知れぬ。
茸の香 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)