“幻想”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
げんそう25.0%
まぼろし16.7%
げんさう8.3%
おもいつき4.2%
イリュウジョン4.2%
イリュージョン4.2%
イリユウジヨン4.2%
デルージョン4.2%
トロイメライ4.2%
ハルシネーション4.2%
ファンタジイ4.2%
ファンテェジィ4.2%
フアンタジヤ4.2%
レェリー4.2%
ヴイジヨン4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こいつをお持ちになれぁ、なるほど、こんな不完全な幻想げんそう第四次の銀河鉄道なんか、どこまででも行けるはずでさあ、あなた方大したもんですね。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と、地面じべたのたくつた太い木根につまづいて、其機会はずみにまだ新しい下駄の鼻緒が、フツリとれた。チヨツと舌鼓したうちして蹲踞しやがんだが、幻想まぼろしあともなし。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あまりに月が大きくあかるいから、大名屋敷だいみやうやしきへいはうが遠くて月のはうかへつて非常に近く見える。しか長吉ちやうきちの見物も同様どうやうすこしも美しい幻想げんさうを破られなかつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
合衆国河岸がしに雲集する紳士淑女と高価なる花束を投げ合い、さて軽歩して競技場スタアドに至れば、数十人の気むずかしき審査員は、花の取合せ、幻想おもいつきの巧拙、搭乗者のりて雀斑そばかすの有無
その辺のところを十分に御斟酌しんしゃく下すって、お聴き取りを願いましたならば、このお話がヨタか、ヨタでないか……精神病患者のスバラシイ幻想イリュウジョンか、それとも正気の人間が告白する
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
近頃では辻の六蔵などには見向きもせずに、私のところにへばり附いて、私の幻想イリュージョンを打ち壊すことに専念して居るようでもあります。
山門さんもん仁王にわうあか幻想イリユウジヨン……
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
俺は此等の名前と、彼等によつて誘ひ込まれた、驚く可き馬鹿な眞似や、たわけな眞似に就いて深く幻想トロイメライに耽つた。驚く可き、と俺は俺自身に云ふ、讀者に向つて云ふのではない。兎に角俺はそれを
三太郎の日記 第二 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
自己の幻想ハルシネーションによりて復活のイエスに会ったかのごとき錯覚を起こし、その錯覚が弟子たちの間に群衆心理的に波及してついに復活の信仰を生じたものであろう
「だから、謎は図形の本質にはなくて、むしろ、作画者の意志の方にある。しかし、どう見てもこの医学の幻想ファンタジイは、片々たる良心的な警告文じゃあるまい」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「一時間で、一千万年の落下シュート! なんという幻想ファンテェジィ!」
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
剰へ日が血のやうに西からのぼり、月が痺れて東へ落ちかかる怪しい神経病者の幻想フアンタジヤさへ時折発作のやうに霊自身をおびやかす。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ふと葉子は幻想レェリーから破れて、古藤のいうこれだけの言葉を捕えた。そして今まで古藤の口から出た伝言の文句はたいてい聞きもらしていたくせに、空々そらぞらしげにもなくしんみりとした様子で
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)