“まぼろし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マボロシ
語句割合
幻58.5%
幻影29.7%
幻像2.8%
幻想1.9%
夢幻0.9%
幻術師0.9%
幻覚0.9%
示現0.5%
幻景0.5%
幻燈0.5%
幻視0.5%
幻覺0.5%
幻象0.5%
心象0.5%
産物0.5%
異象0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
周は驚き懼(おそ)れて気絶しそうにしたが、やがて、それは成の法術で幻(まぼろし)を見せたではあるまいかと疑いだした。成は周の意を知ったので
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
『幻影(まぼろし)のように彼女(あれ)は現われて来てまた幻影(まぼろし)のように消えてしまった……しごくもっとものことである。自分(おれ)はかねて待ちうけていた。』
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その氷山の嶋嶋から、幻像(まぼろし)のやうなオーロラを見て、著者はあこがれ、惱み、悦び、悲しみ、且つ自ら怒りつつ、空しく潮流のままに漂泊して來た。
氷島 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
私(わたくし)は時折(ときをり)種々(いろ/\)な事(こと)を妄想(まうざう)しますが、往々(わう/\)幻想(まぼろし)を見(み)るのです、或人(あるひと)が來(き)たり、又(また)人(ひと)の聲(こゑ)を聞(き)いたり、音樂(おんがく)が聞(きこ)えたり、又(また)林(はやし)や、海岸(かいがん)を散歩(さんぽ)してゐるやうに思(おも)はれる時(とき)も有(あ)ります。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
くゆり靡きて、夢幻(まぼろし)の春あたたかに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
此は天竺の狐の為わざではないか、其とも、此葛城郡に昔から残つてゐる幻術師(まぼろし)のする迷はしではないかと、廊を踏み鳴し、柱を叩いて見たりしたものである。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ひたに怖れて色盲(しきまう)の幻覚(まぼろし)を見る。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ダニエル書の中に、ダニエルが示現(まぼろし)を見たところに「長(をさ)たる君の一なるミカエル来たりて我を助けたれば、我勝ち留りてペルシヤの王たちの傍にをる。」
ミケル祭の聖者 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
彼等は人間であつたとしても差支へないのだが、ただミカエルだけは人間にまのあたり現はれたことはなかつたらしく、夢にだけ示現(まぼろし)にだけ現はれて、悪と戦ふ天使であつたやうだ。
ミケル祭の聖者 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
時として見るものは、沖のその影を、真珠の光と見る。指(ゆびさ)すものは、喜見城(きけんじょう)の幻景(まぼろし)に迷うのです。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それにつれて私のお父様の顔や、お母様の顔や、または生れてから十二年の間に住まっておりました故郷の家の有様なぞが、幻燈(まぼろし)のように美しく、千切(ちぎ)れ千切れに見えて参ります。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
翁の頭脳(あたま)には一人の大きな戯曲家が住んで居る。其れ故、始めて翁と語る者は、彼は幻視(まぼろし)と事実と混同して居るんじや無いかと思ふ。或は彼は誇大な虚言(うそ)を吐く男だと思ふ。
大野人 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
醉ひどれの見る美麗な幻覺(まぼろし)も消えてしまつた。
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
口もとに言いようのない一種の愛嬌(あいきょう)をたたえて大槻に会釈した時のあでやかさ、その心象(まぼろし)がありありと眼に映って私は恐ろしい底ひしられぬ嫉妬(ねたみ)の谷に陥った。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
……とんでもない、それこそあなたがたの得手勝手(えてかって)な想像の、無知のやみに包まれた産物(まぼろし)なのだ。……(鍵束を拾いあげ、うっとりほほえみながら)鍵を投げてったな。
桜の園 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わが牀(とこ)は我を慰め、休息(やすらい)はわが愁(うれ)いを和らげんと、我思いおる時に、汝は夢をもて我を驚かし、異象(まぼろし)をもて我を懼(おそ)れしめたまう。……