“まぼろし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マボロシ
語句割合
57.4%
幻影29.3%
幻像3.2%
幻想2.1%
夢幻1.1%
幻術師1.1%
幻覚1.1%
幻景0.5%
幻燈0.5%
幻視0.5%
(他:6)3.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けばくほど、いい音色ねいろがでて、不思議ふしぎないろいろなまぼろしえたのであります。
赤い船のお客 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ぼくは、絢爛けんらんたる、あの行進の最中、かれまぼろしが、暗示するものを、打消すことが出来なかったのです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
……ウィリアムは手に下げたるクララの金毛を三たび盾に向って振りながら「盾! 最後の望は幻影まぼろしの盾にある」と叫んだ。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大方人の無い、こんな場所へ来ると、聞いた話が実際の姿になって、目前めさき幻影まぼろしに出るものかも知れぬ。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何のじょうを含みてかわがあたえしくしにジッと見とれ居る美しさ、アヽ此処ここなりと幻像まぼろしを写してまた一鑿ひとのみ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その氷山の嶋嶋から、幻像まぼろしのやうなオーロラを見て、著者はあこがれ、惱み、悦び、悲しみ、且つ自ら怒りつつ、空しく潮流のままに漂泊して來た。
氷島 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
わたくし時折ときおり種々いろいろなことを妄想もうぞうしますが、往々おうおう幻想まぼろしるのです、或人あるひとたり
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わたくし時折ときをり種々いろ/\こと妄想まうざうしますが、往々わう/\幻想まぼろしるのです、或人あるひとたり
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
くゆりなびきて、夢幻まぼろしはるあたたかに、
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
くゆり靡きて、夢幻まぼろしの春あたたかに、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
此は、天竺てんじくの狐の為わざではないか、其とも、この葛城郡に、昔から残っている幻術師まぼろしのする迷わしではないか。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
此は天竺の狐の為わざではないか、其とも、此葛城郡に昔から残つてゐる幻術師まぼろしのする迷はしではないかと、廊を踏み鳴し、柱を叩いて見たりしたものである。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ひたに怖れて色盲しきまう幻覚まぼろしを見る。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
……以前まえかた私は山火事を起こし彼らの集会あつまりさまたげたことがある。もっとも真実まことの山火事ではない。ただそう思わせたばかりであっていわば幻覚まぼろしに過ぎなかったが彼らは恐れて逃げてしまった。……私は彼らを恐れてはいない。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ゆびさすものは、喜見城きけんじょう幻景まぼろしに迷うのです。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それにつれて私のお父様の顔や、お母様の顔や、または生れてから十二年の間に住まっておりました故郷の家の有様なぞが、幻燈まぼろしのように美しく、千切ちぎれ千切れに見えて参ります。
押絵の奇蹟 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
其れ故、始めて翁と語る者は、彼は幻視まぼろしと事実と混同して居るんじや無いかと思ふ。
大野人 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
醉ひどれの見る美麗な幻覺まぼろしも消えてしまつた。
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
その心象まぼろしがありありと眼に映って私は恐ろしい底ひしられぬ嫉妬ねたみの谷に陥った。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
……とんでもない、それこそあなたがたの得手勝手えてかってな想像の、無知のやみに包まれた産物まぼろしなのだ。
桜の園 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わがとこは我を慰め、休息やすらいはわがうれいを和らげんと、我思いおる時に、汝は夢をもて我を驚かし、異象まぼろしをもて我をおそれしめたまう。……
ダニエル書の中に、ダニエルが示現まぼろしを見たところに「をさたる君の一なるミカエル来たりて我を助けたれば、我勝ち留りてペルシヤの王たちの傍にをる。」
ミケル祭の聖者 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
こんなやうに聖徒たちの示現まぼろしの中にだけ天使ミカエルは現はれる。
ミケル祭の聖者 (新字旧仮名) / 片山広子(著)