大野人だいやじん
昨年の秋『日蓮論』の附録にする積りで書きながら、遂に載せずに今日に及べるもの日蓮を書いて居ると、長髪白髯の田中正造翁が何処からともなく目の前に現はれる。予は折々、日蓮を書いて居るのか、翁を書いて居るのかを忘れて仕舞つた。予が始めて翁を知つた …