“表書”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うわがき33.3%
うはがき16.7%
おもてがき16.7%
おもてが11.1%
うえ5.6%
うわが5.6%
おもて5.6%
ひょうし5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少し学者風でその表書うわがきに何々様下執事かしつじと書いてやったらおおいしかられ、下執事とは何の事だ、御取次衆おとりつぎしゅうしたためて来いといって、手紙を突返つきかえして来た。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
源太郎は眼をクシヤ/\さして、店から射す灯に透かしつゝ、覗くやうに封書の表書うはがきを讀まうとしたが、暗くて判らなかつた。
鱧の皮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
枕元に、美和子宛の速達が来ていた。表書おもてがきの筆蹟が、努めて違えてあるようだが、どこか、美沢のそれらしかったが、裏を返しては見なかった。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
表書おもてがきにその方の名前を書いたふみが出来ていましたのですけれど、そのかたのほうが先へおなくなりになってしまったので、それで面倒くさくなったのです。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
見ると五十両ではなくして八十両の包みがね表書うえには「本堂再建さいこん普請金、世話人萬屋源兵衞よろずやげんべえあずかる」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
封筒の表書うわがきは上等の唐墨で、筆跡も書家風というよりは、古法になずまないインテリ風で、中の文句に至っては、決して気違いや不良少年の仕業しわざではありません。
笑う悪魔 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
是れは八月三日の端書で、特に「土用見舞状」と書き、尚ほ「今日の所では埼玉二ヶ村本年大豊年巡視中、谷中植付無し」と表書おもての宛名の下に書き足してある。翁の手紙は毎々此の流儀の規則破りだ。
大野人 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
女王は「遅かった。」とかすかに呟かれた。そしてその紙片かみきれを読んでいられた聖書の表書ひょうしと覆いの間に隠された。そして女王もまもなくまた断頭台の上で亡くなられた。