“うえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウエ
語句割合
78.1%
4.1%
3.5%
3.2%
階上3.0%
年長0.9%
0.8%
上層0.6%
上部0.6%
飢餓0.5%
0.5%
上流0.5%
0.5%
二階0.3%
以上0.3%
0.3%
上方0.2%
三階0.2%
上位0.2%
上覆0.2%
上階0.2%
植字0.2%
0.2%
空腹0.2%
表書0.2%
長兄0.2%
長女0.2%
0.2%
頭上0.2%
饑渇0.2%
饑餓0.2%
饑餲0.2%
饑饉0.2%
高貴0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
初元結をもって来てくれた時分のこと、あたくしは彼女のことを、いかにも明石あかしうえに似ているといったことを、書いたこともある。
それをぼつぼつと摘まんで食べたのは、客などのきたときのただのなぐさみであって、うえしのぐというのは始めからの目的でなかった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
うえたり、しかしてのち世界億千万の食足らずして饑餓に苦しむを推察せり、(醍醐天皇寒夜にころもを脱して民の疾苦を思いし例を参考せよ)
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
戦いが止むとどうなるかというと、馬からりて遊牧の民となる。もしくは農業の民となる。うえると直ちに馬に跨り賊となる。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
またアパートに住んでいるとして、階上うえ又は階下したの部屋に、この恐るべき柱時計めが懸っていたとしたならどうであろう。
お雪は乳呑児ちのみごを抱いて二週間目で自分の家へ帰って来た。下婢おんなも荷物と一緒に車を降りた。つづいて、三吉が一番年長うえの兄の娘、お俊も、降りた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
其處には青い草が短く伸びて、肥料も遣らずにツたらかしてある薔薇と宮城野萩の鉢うえとが七八ななやつ並んで、薔薇には、小さい花が二三輪淋しく咲いてゐた。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
例の上層うえが干菓子で、下が銀貨しろいのだから、たまらないさ。紅葉もみじが散る雪が降る、座敷じゅう——の雨だろう。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
そういうのが十名ばかり、その後に続いて両側にやりの形で上部うえはちょうどシナ風の劒わが国の鉾のごとくその刃先はべろべろと動いて居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
かんかん虫のトム公は、領土の人民を見廻るように、時々、自分の住んでいるイロハ長屋の飢餓うえをさがし歩いた。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はたして、その御教えの通り八咫烏の後からおいでになりますと、吉野河の下流に到りました。時に河にうえれて魚を取る人があります。
強請ごうせい押借おしがりというようなことが、思うように効果があがらなくなったのと、いうところの下剋上げこくじょう——下級したの者すなわち貧民達が、上流うえの者を凌ぎ侵しても、昔のようには非難されず
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
多くは風除けとして畑の囲りにうえてあるもので関西地方に多く関東地ではほとんど見られないが、ただ房州の南端地に僅かにこれが生じているのである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「はてな、なんにしても大変事だが、自分で縊れ死んだものなら首吊が競り上って行くという法はねえ。」宇之吉は考えて、「この二階うえがお女将さんの寝間でごわしたな。上ってみよう。」
他のものが真似まねでもすれば大変なことになってしまう、併し善兵衛老人も自業自得だ、娘といって、義理だがその財産を消費した以上うえ公然おもてむきにも出来ない上に大変損な立場にある
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
お豊は真三郎と一夜を語り明かし、どう相談がまとまったものか、その翌朝は二挺の駕籠を並べて、亀山へは帰らずに、ちょうど竜之助が大津へ着いた頃、男女ふたりは鈴鹿峠のうえを越えたものでありました。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そして何処どこやらに唐風からふうなところがあります。ずその御門ごもんでございますが、屋根やね両端りょうたん上方うえにしゃくれて、たいそう光沢つやのある、大型おおがた立派りっぱかわらいてあります。
わたくしおぼえず坐席ざせきからあがって、あきれて上方うえ見上みあげましたが、そのときはモー天狗てんぐさんの姿すがた頂辺てっぺんえだしげみのなかかくれてしまって、どこにるやらわからなくなってました。
「今日は三階うえへ行くんだ。誰が来ても知らせないでくれ給え。」
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
箱根の山に山寨さんさいを構え海道筋を稼ぎ場とし旅人を嚇しおびやかしていた彼人丸左陣よりは貫禄においても上位うえにあるからだ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
上覆うえは破れて柱ばかりになってるけれど、御宝前ごほうぜんと前に刻んだ手水石ちょうずいしの文字は、昔のままである。房州石ぼうしゅういしの安物のとうろうではあるが、一対いっついこわれもせずにあった。
落穂 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ねずみのはうようなきたない家なのよ、真っ暗な小さな家よ、それは高い上階うえでね。その家の中で、歌ったり読誦どくしょうしたりするんだが、何だかわかりゃしない、ただ下からその声が聞こえるだけよ。
三十年後の今日迄こんにちまで依然として其の色を変ぜざるのみか、一度ひとたびやまと新聞に写し植字うえたるに、また時期に粟田口あわだぐち鋭き作意と笛竹ふえたけの響き渡り、あたか船人せんどうの山に登るべき高評なりしを
美作みまさか真庭まにわ郡美和村大字樫東字鳴ノうえ小字破魔場
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
数馬は彼らの情によって空腹うえかわきとをたすことが出来た。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
見ると五十両ではなくして八十両の包みがね表書うえには「本堂再建さいこん普請金、世話人萬屋源兵衞よろずやげんべえあずかる」
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長兄うえの範綱は歌人だし、中の有範は、皇后大進だいしんという役名で、一時は御所と内裏だいりとに重要な地位を占めていたが、今は洛外らくがいにああして隠遁いんとん的にくすぶっているし、末弟すえの宗業は、書記局の役人で
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、売られる運命だった長女うえのお登利は、泣きらした眼で、父の顔つきを疑った。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
木蓮の花の、倍もありそうな巨大な、そうして血のように赤い蜘蛛くもが、突然、頭上うえから、舞い下がって来た。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
黄金丸は饑渇うえに疲れて、勇気日頃に劣れども、また尋常なみなみの犬にあらぬに、彼方かなたもなかなかこれに劣らず、互ひに挑闘いどみたたかふさま、彼の花和尚かおしょう赤松林せきしょうりんに、九紋竜くもんりゅうと争ひけるも、かくやと思ふばかりなり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
雀が饑餓うえという因により、羽翼の羽ばたきという縁によって稲田のところへ飛んで来て、稲穂をついばもうとするのが果であります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
君も知っての通りあの無教育な連中が一個月なり二個月なり饑餲うえを忍んで団結するという事実の底には
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
伊那と木曽との国争い! わけても伊那は饑饉うえに襲われ道にたおれる者さえある! 恐ろしいものは戦いじゃ! いつになったらこの日本は平和の国になるのであろう?
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
わしは人のうちへ往ってお辞儀をするのは嫌いだもの、高貴うえの人の前で口をきくのが厭だ、気が詰って厭な事だ、お大名方の御前ごぜんへ出ると盃を下すったり、我儘な変なことを云うから其れが厭で
梅若七兵衛 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)