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餓
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うえ
ふりがな文庫
“
餓
(
うえ
)” の例文
これが、お茶でない何かほかのもののつもりになどはなれないくらいでした。二人は
餓
(
うえ
)
も寒さも忘れ、すっかり楽しい気持になりました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
彼
餓
(
うえ
)
たり、しかしてのち世界億千万の食足らずして饑餓に苦しむを推察せり、(醍醐天皇寒夜に
衣
(
ころも
)
を脱して民の疾苦を思いし例を参考せよ)
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
餓
(
うえ
)
と
苛責
(
かしゃく
)
とに疲れ果てて、もはや助けを呼ぶ力もなく、わずかに顔を挙げて夢心地に、灯をかざしている救いの手の、誰彼の顔を眺めるのでした。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
如何
(
いかん
)
となれば、
人間
(
にんげん
)
全体
(
ぜんたい
)
は、
餓
(
うえ
)
だとか、
寒
(
さむさ
)
だとか、
凌辱
(
はずかし
)
めだとか、
損失
(
そんしつ
)
だとか、
死
(
し
)
に
対
(
たい
)
するハムレット
的
(
てき
)
の
恐怖
(
おそれ
)
などの
感覚
(
かんかく
)
から
成立
(
なりた
)
っているのです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そりゃいけない。そんな事をしたならばきっとあなたは
獄屋
(
ひとや
)
に入れられて、遂には
餓
(
うえ
)
と
凍
(
こご
)
えとに死なねばならん。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▼ もっと見る
広崎栄太郎という父の旧友が、賭将棋で勝った金十七銭也を持って来て、私の一家の
餓
(
うえ
)
を
凌
(
しの
)
がしてくれたのもその頃の事であったと、その後に父から聞いた。
父杉山茂丸を語る
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
打ち明けて都合が悪いとは露思わぬが、進んで同情を求めるのは、
餓
(
うえ
)
に
逼
(
せま
)
って、知らぬ人の
門口
(
かどぐち
)
に、一銭二銭の
憐
(
あわれみ
)
を乞うのと大した相違はない。同情は
我
(
が
)
の敵である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女は
餓
(
うえ
)
と寒さに抵抗しながら、疲れた足で絶望的な努力を続けているに違いないのだ。
罠に掛った人
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
他方においては幾千万の人間は
漸々
(
ぜんぜん
)
貧困となり
餓
(
うえ
)
に迫られてはだんだん安い給金にも甘んじて、牛馬のごとくに労働せざるを得ず、ついには露命をつなぐことさえ容易でなくなる。
動物の私有財産
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
何処
(
どこ
)
からとも知れず
一
(
ひとつ
)
の石が飛んで来て其男の頭に
命中
(
あた
)
り、即死する、そのために其男の妻子は
餓
(
うえ
)
に沈み、其為めに母と子は争い、其為に親子は血を流す程の惨劇を演ずるという事実が
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
されどひたすらに妾との別れを悲しみ、
娑婆
(
しゃば
)
に出でて再び
餓
(
うえ
)
に泣かんよりは、今少し重き罪を犯し、いつまでもあなた様のお
側
(
そば
)
にてお世話になりたしなど、心も狂おしう打ち
歎
(
かこ
)
つなりき。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
いわんや数頭を
殺
(
あや
)
め、わずかに一頭の
餓
(
うえ
)
を
救
(
すくう
)
べきものにおいてをや。その餓るやその勢必ずあい
喰
(
くらう
)
に至らん。あに上世の虎は
目今
(
もっこん
)
の猫のごとく、太古の熊は今日の犬のごとしというべけんや。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
筒袖
(
つつそで
)
に
野袴
(
のばかま
)
をつけたのや、
籠手
(
こて
)
脛当
(
すねあて
)
に小袴や、旅人風に
糸楯
(
いとだて
)
を負ったのや、百姓の
蓑笠
(
みのかさ
)
をつけたのや、
手創
(
てきず
)
を布で
捲
(
ま
)
いたのや、いずれも
劇
(
はげ
)
しい戦いと
餓
(
うえ
)
とにやつれた
物凄
(
ものすご
)
い一団の人でしたから
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
東京を焼かれた我我は今日の
餓
(
うえ
)
に苦しみ
乍
(
なが
)
ら、明日の餓にも苦しんでいる。鳥は幸いにこの苦痛を知らぬ、いや、鳥に限ったことではない。三世の苦痛を知るものは我我人間のあるばかりである。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一時は朝夕にも
差支
(
さしつか
)
えて幼き弟妹が
餓
(
うえ
)
に泣くほどのドン底に落ちた。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
病犬
(
やみいぬ
)
のように
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として、
僅
(
わず
)
かの
買喰
(
かいぐ
)
いに
餓
(
うえ
)
をしのぐよりせんすべなく、血を絞る苦しみを忍んで、漸くボストンのカリホルニア座に開演して見たものの、
乞食
(
こじき
)
の群れも同様に
零落
(
おちぶ
)
れた
俳優
(
やくしゃ
)
たち
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
家庭の
餓
(
うえ
)
は日に日にその身を実際生活に近づけて行った。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ほとんど
餓
(
うえ
)
が極まった。
柳営秘録かつえ蔵
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
凶作の後の恐ろしい
餓
(
うえ
)
は、江戸中を濡れた灰のように冷たく不活溌にして
了
(
しま
)
いましたが、吹屋町の後藤の屋敷は、栄華と歓楽が渦を巻いて居りました。
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
寒
(
かん
)
に
衣
(
い
)
し、
餓
(
うえ
)
に
食
(
しょく
)
するはこの人格を維持するの一便法に過ぎぬ。筆を
呵
(
か
)
し
硯
(
すずり
)
を
磨
(
ま
)
するのもまたこの人格を他の面上に貫徹するの方策に過ぎぬ。——これが今の道也の信念である。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
兵書には
蝮蛇
(
まむし
)
、
茯苓
(
ぶくりょう
)
、
南天
(
なんてん
)
の実、
白蝋
(
はくろう
)
、虎の肉などを用い、一丸よく数日の
餓
(
うえ
)
を救うと言われている
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
中にはずいぶん馬鹿馬鹿しいのもありますが、十中八九は理詰めで、梅干大の兵糧丸が三つか五つで、少なきは半日一日、多きは三日七日の
餓
(
うえ
)
を
凌
(
しの
)
いだと伝えております。
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それよりも気の毒なのは、幾十年の
苛歛誅求
(
かれんちゅうきゅう
)
に、親子離散、夫婦別れ別れになる領内の百姓達、明日の米も無いまでに絞り取られた幾万人の
餓
(
うえ
)
を救うのが大事では御座らぬか
奇談クラブ〔戦後版〕:09 大名の倅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その時もたった一人で、打ち続く雨と、恐ろしい
餓
(
うえ
)
とにさいなまれ乍ら、それでも仲間のところへ救いを求めに行こうともせず、一張羅の筵を引っかついで、宵のうちから眠りこけて居ました。
新奇談クラブ:07 第七夜 歓楽の夢魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
餓
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
“餓”を含む語句
餓死
飢餓
大施餓鬼
男餓鬼
餓鬼
饑餓
餓鬼道
餓鬼振舞
施餓鬼
餓狼
餓莩
餓鬼大将
川施餓鬼
餓鬼草紙
餓虎
餓鬼大將
色餓鬼
女餓鬼
餓鬼奴
餓殍
...