“餓鬼草紙”の読み方と例文
読み方割合
がきぞうし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
餓鬼草紙がきぞうしの絵に見るような、無数の浮浪者が、その大焚火をとりかこみ、地獄の正月みたいに賑わっている。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
薄い唇をへの字にひき曲げ、青黒い沈んだ顔色で、これが痩せこけた肩をズリ下げるようにして、いつも前屈みになってセカセカ歩く。ちょうど、餓鬼草紙がきぞうしの貧乏神といったてい
ひどい裏店うらだなで、一軒一軒が生ける餓鬼草紙がきぞうしの絵だった。ドブ板さえき付にされている狭い路地を、女房は、何気なく通りかかった振りをして、雨垂れ泣きのれる台所から
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)