上部うえ)” の例文
台の上部うえは土間に立つと三尺ほどの高さで、かぶせ板が左右に一寸ほどみ出ているぐあいが、なんのことはない、経机の形だった。
そういうのが十名ばかり、その後に続いて両側にやりの形で上部うえはちょうどシナ風の劒わが国の鉾のごとくその刃先はべろべろと動いて居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
それは外でもない、小山田家のコンクリート塀の上部うえに植えつけてあった、ビールびんの破片なのです。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
何か出て来るかもしれないと勘次が上部うえへ指を入れると、触った物があるから引き出した。紫縮緬むらさきちりめん女持の香袋においぶくろ、吾妻屋のぬいがしてある。