-
トップ
>
-
船人
読み方 | 割合 |
ふなびと | 85.7% |
せんどう | 14.3% |
あの靄の
輪廓に取り巻かれている
辺には、
大船に乗って
風波を破って
行く大胆な
海国の民の住んでいる町々があるのだ。その
船人はまだ船の
櫓の
掻き分けた事のない、沈黙の
潮の上を船で渡るのだ。
「死」に
拂ふ
渡のしろと、
船人の
掌にとらさむも。
三十年後の
今日迄依然として其の色を変ぜざるのみか、
一度やまと新聞に写し
植字たるに、
這も
復時期に
粟田口鋭き作意と
笛竹の響き渡り、
恰も
船人の山に登るべき高評なりしを
今を去る三十年の昔、三
題噺という事
一時の流行物となりしかば、当時圓朝子が或る宴席に
於て、
國綱の刀、
一節切、
船人という三題を、例の
当意即妙にて一座の喝采を博したるが本話の元素たり。