“上方(うえ)” の例文
そして何処(どこ)やらに唐風(からふう)なところがあります。先(ま)ずその御門(ごもん)でございますが、屋根(やね)は両端(りょうたん)が上方(うえ)にしゃくれて、大(たい)そう光沢(つや)のある、大型(おおがた)の立派(りっぱ)な瓦(かわら)で葺(ふ)いてあります。
私(わたくし)は覚(おぼ)えず坐席(ざせき)から立(た)ち上(あが)って、呆(あき)れて上方(うえ)を見上(みあ)げましたが、その時(とき)はモー天狗(てんぐ)さんの姿(すがた)が頂辺(てっぺん)の枝(えだ)の茂(しげ)みの中(なか)に隠(かく)れて了(しま)って、どこに居(い)るやら判(わか)らなくなって居(い)ました。
御殿(ごてん)の玄関(げんかん)は黒塗(くろぬり)りの大(おお)きな式台(しきだい)造(づく)り、そして上方(うえ)の庇(ひさし)、柱(はしら)、長押(なげし)などは皆(みな)眼(め)のさめるような丹塗(にぬ)り、又(また)壁(かべ)は白塗(しろぬ)りでございますから、すべての配合(はいごう)がいかにも華美(はで)で、明朗(ほがらか)で