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階上
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うえ
ふりがな文庫
“
階上
(
うえ
)” の例文
お茶とお菓子を差し上げただけ、大した御用もないようで、私は
階上
(
うえ
)
へ上って欄干を渡るまで
暫
(
しば
)
らくのあいだ眺めていました
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
またアパートに住んでいるとして、
階上
(
うえ
)
又は
階下
(
した
)
の部屋に、この恐るべき柱時計めが懸っていたとしたならどうであろう。
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「青蘭」には、
階上
(
うえ
)
にも
階下
(
した
)
にもかなりに客が立てこんでいて、それがみんな煙草屋の幽霊の噂をしているのだった。
銀座幽霊
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
腕っこきのハウス・メードを一人
住込み
(
ステー
)
させます……それで、お家賃のほうですが、
階上
(
うえ
)
と
階下
(
した
)
をつっくるみにして
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
子供、彼はどこにいるのかしら?
階上
(
うえ
)
にいるのだった。その音が聞こえていた。ピアノを
稽古
(
けいこ
)
していた。何をひいてるのか彼女にはわからなかった。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
あるじの
徐寧
(
じょねい
)
らしき人の声がする。妻、女中。
階下
(
した
)
と
階上
(
うえ
)
とを行き
交
(
か
)
う足音。どうもここの家族は
夜更
(
よふ
)
かしらしい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうしてじっと
階上
(
うえ
)
の
動静
(
ようす
)
に
聴
(
き
)
き耳を立てていると、はたして柳沢が大きな声で何かいっているのが聞える。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
丁度この下座敷の
直
(
す
)
ぐ
階上
(
うえ
)
に、
硝子戸
(
ガラスど
)
を開ければ町につづいた家々の屋根の見える岸本の部屋があった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この病棟には患者が
階上
(
うえ
)
と
階下
(
した
)
で
恰度
(
ちょうど
)
十人いたけれど、ここに出て来るのは私を入れて四人であった。
蝱の囁き:――肺病の唄――
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「そうだよ、幾ら言っても同じことなんだ、問題は
階上
(
うえ
)
と
階下
(
した
)
のことなんだよ。きみなら、ちょろちょろと泳いで階下まで行くが、人間はそうは簡単にゆかない。」
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
階下
(
した
)
の入口のところや
階上
(
うえ
)
の控えの間などに燈を入れている様子を見るにつけて、自分たちはこの屋敷へとんだ迷惑や騒動を持ち込んで来たものだと、そんな気もしはじめた。
接吻
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
彼はそう、併し、
独語
(
ひとりごと
)
のように云いながら、
階上
(
うえ
)
へ行って了うのであったが、それはおそらく、解剖のときに、自分の手が思うように動かないことを気に
悩
(
や
)
んでいたのに相違ない。
三稜鏡:(笠松博士の奇怪な外科手術)
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
彼はそこにしばらくじっとしていたが、やがてまた
階上
(
うえ
)
へ上っていった。それは振り子の最後の振動だった。翌日、彼はもう
室
(
へや
)
から出なかった。その翌日には、もう寝床から出なかった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
呼吸
(
いき
)
を詰めて一同が、はっと
階上
(
うえ
)
を見上げたせつなである。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
つけて見る。ピストルの
弾丸
(
たま
)
が飛んでくるかも知れないが動いちゃいけない。その後で懐中電灯を消すから、その隙に
階上
(
うえ
)
へとびあがるのだ。わかったかネ
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
岸本は
硝子戸
(
ガラスど
)
に近く行った。往来の方へ向いた二階の
欄
(
てすり
)
のところから狭い町を眺めた。白い障子のはまった幾つかの窓が向い側の町家の
階上
(
うえ
)
にも
階下
(
した
)
にもあった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「それはすぐこのご
本殿
(
ほんでん
)
の
階上
(
うえ
)
、三
層
(
そう
)
までの
階段
(
かいだん
)
をみな取りはずしてございますうえに、あの
池
(
いけ
)
のほうにも、
侍
(
さむらい
)
を
伏
(
ふ
)
せておきましたゆえ、これまた、ご安心でござります」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それは
階下
(
した
)
の人はどんなにあせっても、二階のことが見えないと同じもどかしさなんだ、
階下
(
した
)
と
階上
(
うえ
)
とで人間が坐り合っていても、この二人は離ればなれになっているんだ。」
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
それで私は腹の中で、
階下
(
した
)
のお婆さんのことを訊ねたのだが、それを訊くのも、やっぱり
階上
(
うえ
)
にいた女の母親のことを訊ねようとてであるから、これは、うまい具合だと思って
狂乱
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「失礼」と私はもの柔らかな口調でいった、「これは有難い、イヷン・イヷーヌィチ、君はまだいてくれたね。じつは
階上
(
うえ
)
で訊くのを忘れたんだが、ここの郡会議長の名と父称を君は知らないかね?」
妻
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
庇越しに、
階上
(
うえ
)
から細引で垂れ下がっているのだ。
釘抜藤吉捕物覚書:13 宙に浮く屍骸
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ふすまの音や、わめき声が、なお、わずかな間、聞えては来たが、そのうちに、シーンと家の中が、妙にひそまり返ってしまった。
階上
(
うえ
)
も
階下
(
した
)
も、人なきもののようになった。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そうだよ、
階下
(
した
)
と
階上
(
うえ
)
では大きなちがいだ。」
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
思わず耳をすました
階上
(
うえ
)
の三人——。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「オオこれは
提轄
(
ていかつ
)
(憲兵)さまで。よくいらっしゃいました。さ、どうぞ
階上
(
うえ
)
へ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“階上”の意味
《名詞》
階上(かいじょう)
階段の上。
二階建て以上の建物で上の階。
(出典:Wiktionary)
階
常用漢字
小3
部首:⾩
12画
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“階上”で始まる語句
階上階下