“つく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツク
語句割合
23.7%
15.6%
12.5%
8.3%
4.8%
4.6%
4.5%
3.7%
2.7%
2.2%
1.6%
1.2%
1.1%
創造1.1%
0.6%
0.6%
製造0.6%
0.6%
0.5%
0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
0.4%
0.2%
0.2%
化粧0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
料理0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
仮装0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
建設0.1%
建造0.1%
扮装0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
相作0.1%
0.1%
0.1%
粧装0.1%
耕作0.1%
0.1%
著作0.1%
0.1%
製作0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
都久0.1%
醸造0.1%
醸酒0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうだ、これをおとうとせてやろう。そして、りこうなはちが、どうしてつくり、また子供こどもそだてるのに苦心くしんするかをおしえてやろう。
ある夏の日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
可笑をかしき可憐あはれなる事可怖おそろしき事種々しゆ/″\さま/″\ふでつくしがたし。やう/\東雲しのゝめころいたりて、水もおちたりとて諸人しよにん安堵あんどのおもひをなしぬ。
勘次かんじ畦間うねまつくりあげてそれから自分じぶんいそがしく大豆だいづおとはじめた。勘次かんじ間懶まだるつこいおつぎのもとをうねをひよつとのぞいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ホイットマンに詩人がいなかったならば、百のエマソンがあったとしても、一人のホイットマンをつくり上げることはできなかったのだ。
想片 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
左樣さよう不肖ふつゝかながら、この櫻木さくらぎ畢世ひつせいちからつくして、わが帝國海軍ていこくかいぐんめに、前代未聞ぜんだいみもんある有力いうりよくなる軍器ぐんき製造せいぞう着手ちやくしゆしてるのです。
しかし純忠の志を地下につくし、純誠の情涙を塵芥裡に埋めて、軽棄されたる国粋の芸道に精進し、無用の努力として世人に忘却されつつ
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
しかしわたくしはほゞ抽齋の病状をつくしてゐて、その虎列拉コレラたることを斷じたが、米庵を同病だらうと云つたのは、推測に過ぎなかつた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
一つの美味あれば、一家擧げて共にし、衣服をつくるにも、必ず善きものは年長者にゆづり、自分勝手じぶんがつてかまへず、互に誠を盡すべし。
遺教 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
こう云った叔父は無言の空虚を充たすために、煙管きせる灰吹はいふきを叩いた。叔母も何とかその場を取りつくろわなければならなくなった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もともと、僕のこのみからして、あの亡霊の顔つくりに、沙翁の顔を引き写したのですが、それが廻転している、幡江の眼を誤らせたのでしょう。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
黒紋つきにあられ小紋のかみしも、つづく安積玄心斎、脇本門之丞わきもともんのじょう谷大八たにだいはち等……みんな同じつくりで、正式の婿入り行列、にわかのお立ちです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
 けだし彼の禾稼くわかを見るに、春種し、夏苗し、秋刈り、冬蔵す。秋冬に至れば人みなその歳功の成るを悦び、酒を造りれいつくり、村野歓声あり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
それにつけても、これがわたしの精一つぱいのおつくりなんだと思ふと、妙に身窄みすぼらしく自分の肩のあたりが眺められる。
散歩 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
どんな幽霊でも化物でも、人間の形にのっとるのは、不思議なようで不思議で無い。幽霊や化物を創造つくり出した者が、その人間であるのだから。
妖異むだ言 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「お昼寝もなさらずに、御丹精あそばすので、邸では、お汁のや漬物は、みんなお母あ様のつくった物で足りておりまする」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるいは枯山からやまをして変えて青山にす。あるいは黄なるつちをして変えて白き水にす。種々くさぐさあやしき術、つくして究むべからず。
貴郎、警察の刑事さん、私の云うことを信じて下さい——此処に居る巨大な此人間、これは私が製造つくったものです。決して婦人のおなかから産れた普通の人間ではありません。
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
えますとも、乾溝からどぶ背後うしろがずらりと垣根かきねで、半分はんぶんれたまつおほき這出はひだしてます。そのまへに、つくねた黒土くろつちから蒸氣いきれつやうなかたちるんですよ。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其方儀主人しゆじんつま何程なにほど申付候共又七も主人のつき致方いたしかた有之これあるべき處主人又七にきずつけあまつさへ不義ふぎの申かけを致さんとせし段不屆至極ふとゞきしごくに付死罪しざいつく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「勝手にしろ。山を降りれば何かあるに相違ない。何かに付いておりれば、どこかの村につくきまっている。汝等なんじらごとき懦弱漢はかえって手足てあしまといだ。帰れ帰れ」
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
不孝の子は、ただ慈父これをあわれみ、不弟の弟は、ただ友兄これをゆるす。定省ていせい怡々いい膝下しっかの歓をつくあたわず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
(四八)せいぐんをしてり十まんかまどつくらしめ、明日みやうにちは五まんかまどつくらしめ、また明日みやうにちは三まんかまどつくらしむ。
之をつくして仕舞はねばならぬのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
アメリカのウイスキーは、バーバンと呼ばれているもので、ケンタッキー州でつくられ、乾草みたいな匂いのするあまり上等でないウイスキーであるが、それが好きだという連中も、かなりある。
パーティ物語 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
殺さば殺さるゝ其條目はのがれ難し如何はせんと計りにて霎時しばし思案しあんくれたるがやう/\思ひつくことありてや一個ひとり點頭うなづき有司いうしに命じ庄兵衞の母おかつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「今度の分工場ってのは、とても大きいらしいんだ。そら、甚吉さんのつくっている畠のところに、川に沿うて桑畠があるな。なんでもあそこらしいって話だぞ。」
都会地図の膨脹 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
その証拠には、あんなせわしい間に、いつのまにか顔を化粧つくって、大がらな浴衣に小柳の帯を千鳥に結んでいますが、それは門に出た時の乱れたものではありません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先づ第一に叔母様をばさんなどは東京を如何どんなにか賑かな処と思つて、そろ/\と自分の眼で自分の景色をつくつて居なさるだらうが、実地見ると必定きつとその想像の違つて居たことに驚かれるだらうと思ふ。
夜の赤坂 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
世間せけんの眼をくらますために、神尾喬之助は、かみから服装の細部まで、右近と全く同じにつくっているのだから、二人いっしょにいるところを見られない限り、近所の人もあやしまずにいるのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
さがしけるに吉原のくるわ第一の妓樓ぢようろやにて京町の三浦屋に米搗こめつきの口有り一ヶ年給金三兩にて住込すみこみ日毎ひごとに米をつくを以て身の勤めとはなしにける然るに物がたき傳吉は鄭聲ていせい音曲おんぎよく洞房どうばう花燭くわしよくたのしみを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これをつくに雪をほる木鋤こすきを用ふ、力にまかせて擢ゆゑにそらにあがる㕝甚高し。かやうに大なる羽子ゆゑにわらべはまじらず、あらくれたる男女うちまじり、はゞきわらぐつなどにて此戯このたはふれをなすなり。
庭のまん中から作つて行つたら滅多めつたにかたがつくことがない。魚を料理つくるにまん中から庖丁を入れることは、料理ることを知らない人のすることである。腹や頭から庖丁を入れねばならぬ。
冬の庭 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
その家は倒々なか/\美しく、諸道具も備つて居ます。その亭主といふものは、壮健な農夫で、つく々見れば昔しリツプが脊中に攀ぢ登つた悪劇児いたづらこどもの一人です。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
三村屋安右衛門の顔には、絶望の色が濃い蔭をつくります。
安はこんなに云つて居る間、土間につくなんで框に両手をついて、お大名に言上するやうな調子で云うて居た。栄一は安があまり喋り続けるものだから、あんなに喋つたら酔が醒めるだらうと思つた。
つひに其場へ切ふせたり斯て兩人はホツと一いきつく處へお里もやがかけ來り其所に御いでは父樣かといふ聲きいてオヽお里か能マア無事でと親子三人怪我けがのないのを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たましひとばし更にいきたる心地もなくたがひかほを見合せ思ひ/\に神佛しんぶついの溜息ためいきつくばかりなり風は益々つよく船を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
諾児汝うべこなわぬに恋ふなもつくぬがなへ行けばこふしかるなも (同・三四七六)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
の児ろと宿ずやなりなむはた薄裏野すすきうらぬの山につく片寄かたよるも (同・三五六五)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
るほどこのかたなら少女姿おとめすがた仮装つくられてもさして不思議ふしぎはないはず……。』失礼しつれいとはぞんじながらわたくしはそのときこころうちでそうかんじたことでございました。
こん亀甲きっこう結城ゆうき茶博多ちゃはかたの帯を甲斐かいの口に、渋く堅気につくった三次、夜が明けるが早いか亀安の暖簾のれんを潜った。
なお播磨国風土記の賀毛郡雲潤里の条に丹津日子神が『吾れ宍ノ血を以てつくる故に、河の水を欲せず』
暇日開宴迎客傾 暇日かじつ えんひらき 客をむかえてつく
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
情にもろいこと、涙もろいこと——それがつくりものでないだけに缺點だともいへる。
下町娘 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
自分たちでつくつたものを自分たちで破壞し、無警察無秩序の暗黒へもあまんじて自ら驅りこむ危險性を多分にもつてゐるものだといふことである。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
「何うせ、人生じんせいツてものは淋しいものさ。不幸なことを謂や僕なんか随分ずいぶん………」と謂ひかゝツて、ふと口をつくむでお房は氣の無い顏で外の方をながめてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
逃げたって女一人で淋しい道中は出来ねえからな、わしア此の床の中へひえって頭から掻巻けえまきかぶって、ウフヽヽつくなんでると、女子おなごは知んねえからこけえ来る、中へおひえんなさいましと云ったところで
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大東京を建設つくる人たちなのだ。
東京に生れて (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
本機は特に長時間飛行のため建造つくられ、キャビンの通風煖※だんぼう照明等すべて最も近代的デザインになる。
踊る地平線:04 虹を渡る日 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
かといって変に細工をして扮装つくりゃあかえって人眼につくしさ、さんざ考えたあげくのはてが、この旅人すがたと洒落しゃれたんでございます。どうです、似合いましょうヘヘヘ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この位美しい女に、誘惑ゆうわくされた以上、男として手をつくねていることはないと思ったので、一緒いっしょた。割合い広い家なのに、家人は一人もいない。
女強盗 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
きちんと坐り込んで莨をっていた父親が、いきなり起ち上ると、子供の着物や母親の襦袢じゅばんのような物を、両手でさらって、ジメジメした庭へつくねてほうり出した。庭には虫の鳴くのが聞えていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
創世記の第九章には「爰にノア農夫となりて葡萄ばたけつくることを始めしが、葡萄酒を飲て酔ひ天幕の中にありて裸になれり」
可愛い山 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
つく弓の四九 こやる伏りも五〇
燕王はあらかじめ景隆を吾が堅城の下に致して之をつくさんことを期せしに、景隆既にやごろに入りきたりぬ、何ぞを放たざらんや。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
胸痛きまでの悲しさ我事わがことのように鼻詰らせながら亭主に礼いておのが部屋へやもどれば、たちまち気がつくは床の間に二タ箱買ったる花漬はなづけきぬ脱ぎかえてころりと横になり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
然してその兄高田あげだを作らば、汝が命は下田くぼだつくりたまへ。その兄下田を作らば、汝が命は高田を營りたまへ一七。然したまはば、吾水をれば、三年の間にかならずその兄貧しくなりなむ。
その後で余党をつくしてみせる! ……俺ばかりではない、敵は多いぞ! 北条のご前に用心しろ! 岡っ引の松吉に用心しろ! 貴様にとってはみんな敵だ! が
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここに大國主の神愁へて告りたまはく、「吾獨して、如何いかにかもよくこの國をえ作らむ。いづれの神とともに、はよくこの國を相作つくらむ」とのりたまひき。この時に海をらして依り來る神あり。
はづして小脇こわき抱込かひこみお島にむかひサア汝言はぬかどうぢや言ぬと此槍が其の美しきからだに御見舞申すぞ是でも言はぬか/\と既につくべき勢ひゆゑ安間平左衞門は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
太史公たいしこういはく、司馬しば兵法へいはふむに、(三六)閎廓くわうくわく深遠しんゑんにして、(三七)だい征伐せいばついへども、いま其義そのぎつくす※あたはず、其文そのぶんごときは、また(三八)すこしくはうせり。
御殿女中上りの老婢に粧装つくられる二人の厚化粧に似合つて高々とひ上げた黒髪の光や、秀でたまゆつやが今日は一点のべにをも施さない面立ちを一層品良く引きしめてゐる。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
加うるに南軍は北軍の騎兵の馳突ちとつに備うる為に塹濠ざんごうを掘り、塁壁を作りて営とすを常としければ、軍兵休息のいとますくなく、往々むなしく人力をつくすのうらみありて、士卒困罷こんひ退屈の情あり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
頼朝公の亡きあとの北条一族の専横せんおう御覧ごろうぜられ、武家幕府のおごりを憎み給い、やがては鎌倉の末路も久しからずしてこうぞよという諷刺ふうしをふくめて、前司行長ぜんじゆきながに命じて著作つくらせましたのが、このごろ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そを見るに橘樹の小さなる、指頭ゆびさきほどあるを、細やかにつくりなせり。
『聊斎志異』より (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
老爺ぢいさん、いまのは、あれは、木像もくざうだ、製作つくつた木彫きぼりをんななんだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すべての文学者ぶんがくしや消費せうひする筆墨料ひつぼくれう徴収ちようしうすれば慈善じぜん病院びやうゐん三ツ四ツをつくる事けつしてかたきにあらず、すべての文学者ぶんがくしや喰潰くひつぶこめにく蓄積ちくせきすれば百度ひやくたび饑饉ききんきたるともさらおそるゝにらざるべく
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
母親の言ったつくりごとを真に受けて、あの十二月の初め寒い日に、山科やましな在所ざいしょという在所を、一日重い土産物みやげものなどを両手にさげて探し廻ったこと、それから去年の暮のしかも二十九日に押し迫って
霜凍る宵 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
侍中の王粲おうさんは、曹操の徳をしょうした長詩をつくって、これを侍側の手から彼に見せたりした。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
測らず 跬歩きほ敢て忘れん慈父の訓 飄零ひようれいげて受く美人の憐み 宝刀一口ひとふり良価を求む 貞石三生宿縁を証す 未だ必ずしも世間偉士無からざるも 君が忠孝の双全を得るにつく
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
次に平群へぐり都久つくの宿禰は、平群の臣、佐和良の臣、馬の御樴みくひの連等が祖なり。次につのの宿禰は、木の臣、都奴の臣、坂本の臣等が祖なり。
「都合さへよければ、この秋ごろから醸造つくりはじめられるだらうと思ひますんで。聖母祭にやあ、村長殿が千鳥足でもつて往来に独逸風の輪麺麭クレンデリの形を描かれることは、まづ賭をしてもようがすて。」
どこの寺でも、「葷酒クンシユ山門ニ入ルヲ許サズ」は、法城のおきてみたいになっているが、この天野山金剛寺では、坊舎で酒を醸酒つくっている。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
即ち烈公が梵鐘ぼんしょうこぼちて大砲をつくりたるも、甲冑かっちゅうにて追鳥狩おいとりがりを企てたるも、みなこの同時なりとす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
玄徳には一種の容態をつくる好みがあるらしい。よく珍しい物でぼうを結い、珠をかざる癖があるので、それをとがめたらしいのである。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)