つく)” の例文
ビングが北斎伝出版の計画はかくの如くゴンクウルの先鞭せんべんつくる所となりしがため中止するのやむなきに至れりといふ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「勝手にしろ。山を降りれば何かあるに相違ない。何かに付いておりれば、どこかの村につくきまっている。汝等なんじらごとき懦弱漢はかえって手足てあしまといだ。帰れ帰れ」
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
今は学問場裡じょうりに彼我併立の勢を成して、今後我学者のつとむる所は唯れに対して先鞭せんべんつくるに在るのみ。
人生の楽事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
とになし渡り求むる阿部川の此方の岸へつくふね飛乘とびの機會とたんうしろからヤレ待居まちをらう重五郎と追駈おつかけ來るは別人ならず江尻えじりの宿の落破戸ならずもの儀右衞門と云男なりいとも白妙が馴染客なじみきやくにて是迄多くの金銀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)