“逢着”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうちゃく89.6%
あう2.1%
あわ2.1%
でっくわ2.1%
はうちやく2.1%
ほうちやく2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
噛んでも噛んでも、三で十を割るごとく尽未来際方じんみらいざいかたのつくはあるまいと思われた。この煩悶はんもんの際吾輩は覚えず第二の真理に逢着ほうちゃくした。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「じぁその逢着あうような奴っていうのはどんな奴さ。」
「そうじぁないよ。みんなとはかぎりゃしないさ。運のいい奴はそれにであわなくってすんじまうよ。それから山へ登る奴だって、そんな運命なんかに全然逢着あわないように登ってる奴もあるもの。」
これがそもそもひとを苦しめたり、自分でも苦しんだりする原因なんです……しかし、君、人間は一度可恐おそろしい目に逢着でっくわしてみ給え、いろいろなことを考えるように成るよ……子供が死んでから
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
さうして、この門の上へ持つて來て、いぬのやうにてられてしまふばかりである。えらばないとすれば——下人の考へは、何度なんども同じ道を低徊した揚句あげくに、やつとこの局所へ逢着はうちやくした。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
貫一もまたその逢着ほうちやくの唐突なるに打惑ひて、なかなかくはしく看るべきいとまあらざりけれど、その女は万々彼の妻なんどにはあらじ、とひとり合点せり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)