“でっくわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
出会60.9%
邂逅10.9%
遭遇7.8%
出逢7.8%
出遇3.1%
出撞1.6%
出過1.6%
出遭1.6%
撞見1.6%
逢着1.6%
遭逢1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれどもこの水々しい年増と美しい娘とが奥へ通ったあとで、一同は吹き出さなければならないことに出会でっくわしてしまいました。
野良のらの仕事を終わって帰る百姓は、いつも白地の単衣ひとえを着て頭の髪を長くした成願寺の教員さんが手帳を持ちながらぶらぶら歩いて行くのに邂逅でっくわして挨拶をした。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
機会に遭遇でっくわしさえすれば、その底の底の暴風はたちまち勢を得て、妻子も世間も道徳も師弟の関係も一挙にして破れてしまうであろうと思われた。少くとも男はそう信じていた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
旅の苦労をめて足が慣らされていますから、この多摩川沿いの山間やまあいや、沢伝いのかくし道を平気で歩いて、思いがけないところで出逢でっくわす人を驚かすこともあり、この辺は古来
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
解らないところに出遇でっくわしたように装った(おお何という悪いことだろう、私はこのごろ人様の前で自分をいつわらねばいられないようになってきた、とおぬいは心の中で嘆息するのだった)
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
占めようと、右の猟夫りょうしが夜中真暗まっくらな森を徜徉さまよううちに、青白い光りものが、目一つの山の神のように動いて来るのに出撞でっくわした。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
現に、今日の昼過ぎにも、二人がそれを食べながら、離室を出て来るのに、次郎は廊下で出過でっくわしたのである。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
また或る時、借金のために財産をなくしかけて、首をくくろうか、身を投げようかと思案しながら道を歩いている町の人に出遭でっくわしたことがある。
撞見でっくわしてはまずかろう、と愛想はなけれど真実はある言葉に、お吉うれしく頼みおきて帰れば、その後へ引きちがえて来る源太、はたして清吉に、出入りをむる師弟の縁るとの言い渡し。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これがそもそもひとを苦しめたり、自分でも苦しんだりする原因なんです……しかし、君、人間は一度可恐おそろしい目に逢着でっくわしてみ給え、いろいろなことを考えるように成るよ……子供が死んでから
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もし存生ぞんじょうだったら地震に遭逢でっくわしたと同様、暗黒くらやみでイキナリ頭をドヤシ付けられたように感じたろう。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)