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遭遇
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でっくわ
ふりがな文庫
“
遭遇
(
でっくわ
)” の例文
「
先刻
(
さっき
)
、僕が
吾家
(
うち
)
から出掛けて来ると、丁度
御濠端
(
おほりばた
)
のところで皆に
遭遇
(
でっくわ
)
した。僕は棺に随いて会堂までやって行った」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
機会に
遭遇
(
でっくわ
)
しさえすれば、その底の底の暴風は
忽
(
たちま
)
ち勢を得て、妻子も世間も道徳も師弟の関係も一挙にして破れて
了
(
しま
)
うであろうと思われた。少くとも男はそう信じていた。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
あの娘子軍の一行、浮かれ浮かれて、村はずれを、人の気もない山へ山へと練り出した、そこで
遭遇
(
でっくわ
)
した私たちだったのだ。酔興だとも思えるが、流石に原生林の中の寂しい生活者の姿である。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
ホラ、
此頃
(
こないだ
)
、雪の降った日が有りましたろう——ネ。あの翌日でサ。私が河蒸汽で
吾妻橋
(
あずまばし
)
まで乗って、あそこで上ると、ヒョイと向島に
遭遇
(
でっくわ
)
しました。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そういう場合の彼は後姿なぞの節子に似た人をどうかすると見かけるまでであって、髪のかたち一つ彼女と同じものに
遭遇
(
でっくわ
)
すということさえ
殆
(
ほとん
)
ど無かった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
水辺
(
みずべ
)
に住むものの誰しもが耳にするような噂をよく耳にしたことはあるが、ついぞまだ女の死体が流れ着いたという実際の場合に自分で
遭遇
(
でっくわ
)
したことはなかった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「なにしろ、君、出て来る早々ああいう目に
遭遇
(
でっくわ
)
したんだからネ……実際あの晩はエラかったよ……」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
賄
(
まかない
)
の食わせる
晩食
(
ばんめし
)
を
味
(
あじわ
)
おうとして、二人は連立って食堂の方へ行った。黙し勝な捨吉は多勢の青年の間に腰掛けて、あの繁子に図らず
遭遇
(
でっくわ
)
したことを思出しつつ食った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
遭
常用漢字
中学
部首:⾡
14画
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“遭遇”で始まる語句
遭遇談