“存生”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぞんしょう37.9%
ぞんじょう34.5%
ゾンジヤウ6.9%
ぞんしやう3.4%
いまそか3.4%
そんじょう3.4%
ぞんじやう3.4%
なが3.4%
ソンジヤウ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お秋は女でこそあれ、なかなかのしっかり者で、亭主の存生ぞんしょう当時よりも商売を手広くして、料理番と若い者をあわせて五、六人を使っている。
半七捕物帳:61 吉良の脇指 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
存生ぞんじょうのみぎり何かとたよりて来し大抵のやからはおのずから足を遠くし、その上親戚しんせきも少なく、知己とても多からず、未亡人おふくろは人好きのせぬ方なる上に
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
武智麻呂存生ゾンジヤウの頃から、此屋敷のことを、世間では、南家と呼び慣はして來てゐる。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
汲で出すに長兵衞は姉樣酒も御膳もゆるりと後にてよし早速ながら聞度事がある此方の兄の病氣びやうきは如何なり九死一生の大病たいびやうと云手紙が來りしが何な樣子なるか未だ存生ぞんしやうなりやとやぶからぼうに聞ゆゑ女共はきも
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
閻王えんおうの使者に追立てられ、歩むに長き廻廊もしにく身はいと近く、人形室に引入れられて亡き母の存生いまそかりし日を思い出し、下枝は涙さしぐみぬ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「えッ。ではあの、せ、伜はまだ生きておるのでござりましょうか! どこぞにまだ存生そんじょうしておりましょうか!」
はゝがまだ存生ぞんじやうときだつた。……一夏あるなつ暮方くれがたからすさまじい雷雨らいうがあつた……電光いなびかり絶間たえまなく、あめ車軸しやぢくながして、荒金あらがねつちくるまは、とゞろきながら奈落ならくそこしづむとおもふ。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御存知の通り文三は生得しょうとくの親おもい、母親の写真を視て、我が辛苦を艱難かんなんを忍びながら定めない浮世に存生ながらえていたる、自分一個ひとりため而已のみでない事を想出おもいいだ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
武智麻呂存生ソンジヤウの頃から、此屋敷のことを、世間では、南家と呼び慣はして来てゐる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)