“想出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもひだ30.8%
おもいだ23.1%
おもいで23.1%
おもひで15.4%
おもいいだ7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕は父の歿した時、民顕ミユンヘン仮寓かぐうにあつてこのことを想出おもひだして、その時の父の顔容を出来るだけおもひ浮べて見ようと努めたことがあつた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
... 玉子の白身しろみでアクを取りました」と聞いて大原が先日の事を想出おもいだし「今日は玉子のからでなくって白身をお使いですか、非常の御奮発ですな」
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
フランシスはやがて自分のまとったマントや手に持つしゃくに気がつくと、はじめて今までふけっていた歓楽の想出おもいでの糸口が見つかったように苦笑いをした。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
そして昼のうちも床のうへに仰向に寝たりすると、僕の少年のころの父の想出おもひでが一種の哀調を帯びて幾つも意識のうへに浮上つてくるのを常とした。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
御存知の通り文三は生得しょうとくの親おもい、母親の写真を視て、我が辛苦を艱難かんなんを忍びながら定めない浮世に存生ながらえていたる、自分一個ひとりため而已のみでない事を想出おもいいだ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)