“おもいいだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
憶出33.3%
思出33.3%
想出33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うれしそうに人のそわつくを見るに付け聞くに付け、またしても昨日きのうの我が憶出おもいいだされて、五月雨さみだれ頃の空と湿める、嘆息もする、面白くも無い。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
キット思付いた、イヤ憶出おもいいだした事が有る。今初まッた事では無いが、先刻から酔醒めの気味で咽喉のどが渇く。水を飲めばかわきまるが、シカシ水は台所より外には無い。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「予は自ら誓えり、世を終るまで鏡を見じと、しかり断じて鏡を見まじ。否これを見ざるのみならず、今思出おもいいだしたる鏡というものの名さえ、務めて忘れねばならぬなり。」
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御存知の通り文三は生得しょうとくの親おもい、母親の写真を視て、我が辛苦を艱難かんなんを忍びながら定めない浮世に存生ながらえていたる、自分一個ひとりため而已のみでない事を想出おもいいだ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)