“おもひだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
思出79.1%
想出9.3%
憶出7.0%
懐出2.3%
追懐2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ボリ/\みつゝ、手酌てじやくで、臺附だいつき硝子杯コツプかたむけたが、何故なぜか、とこなか夜具やぐかぶつて、鹽煎餅しほせんべいをおたのにした幼兒をさなごとき思出おもひだす。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けれども、ニナール姫は、お父様が、さきに言つたことを想出おもひだしてゐたので、むりにジウラ王子をひきずるやうにして、黒いラマ塔のところへつれて行つたのでした。
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
其見世の先に普請場ふしんばがあつて、煉瓦職人の姿が其の前に見えたから、技師の話を憶出おもひだして、仕事をさせて貰はうと思つたからで。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
『何となくう今夜は師範校の寄宿舎にでも居るやうな気がする。妙に僕は昔を懐出おもひだした——ホラ、君と一緒に勉強した彼の時代のことなぞを。あゝ、昔の友達は皆な奈何して居るかなあ。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
一雫も零さないやうにするのは、何も追懐おもひでの涙が神聖なからでは無い。成るべく早く瓶を詰めて、喪服を着更きかへてしまひたいからだ。多いなかには亭主の事を追懐おもひだしても一向涙なぞ出ないのがある。