“追懐”のいろいろな読み方と例文
旧字:追懷
読み方割合
ついかい55.6%
おもひで16.7%
おもいで11.1%
おもい5.6%
おもひだ5.6%
レコレクシヨン5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
而して、窓が開いて、中から黒い毒気が洩れで、私の息を止めて、死んでも私は満足である。懐しい追懐ついかい! 懐しい追懐! どうかこの秘密の窓を開いてくれ。
日没の幻影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人の話は其追懐おもひでで持切つた。他人が居なければ遠慮もらず、今は何を話さうと好自由すきじいうである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
眼鏡越しに是方こちらを眺める青木の眼付の若々しさ、往時むかし可懐なつかしがる布施の容貌おもてあらわれた真実——いずれも原の身にとっては追懐おもいでの種であった。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
森も岡も牧場も水車小屋も、辛い追懐おもいの種ばかり、見るに苦しい景色ではあるけれど、これも別離と言えばまた新しい執着を覚える。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
一雫も零さないやうにするのは、何も追懐おもひでの涙が神聖なからでは無い。成るべく早く瓶を詰めて、喪服を着更きかへてしまひたいからだ。多いなかには亭主の事を追懐おもひだしても一向涙なぞ出ないのがある。
追懐レコレクシヨン」のみは其地を我故郷とうなづけど、「希望ホープ」は我にほかの故郷を強ゆる如し。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)